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夢はわずか2分間の幻に。J3優勝を逃した町田が「壁」に挑む

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 田村翔/アフロスポーツ●写真 photo by AFLOSPORTS

 不安そうにしていた選手たちが、弾けるようにして抱き合った。一斉に歓喜の声を上げ、頬を上気させる。彼らはそのとき、夢見心地だったに違いない。

 しかし陶酔はほんの2分間ほどしか続かず、突き落とされるような失望を味わうことになった―――。

 11月23日、J3リーグ2位のFC町田ゼルビアは、3位AC長野パルセイロの本拠地に乗り込み、リーグ最終節を戦っている。町田は首位のレノファ山口と同勝ち点。勝てば優勝の可能性があった。J3優勝はJ2自動昇格だが、2位に終わった場合は、J2の21位との入れ替え戦を戦わざるを得ない。

「昨季の入れ替え戦は、長野が讃岐に挑戦して破れなかった壁で、簡単ではありません。だからこそ、町田は優勝、昇格のこだわりをもってやってきました。山口に勝ち点で離されたこともありましたが、"上を見て戦おう"と苦しい状況をくぐり抜け、一戦一戦成長してきたと思います」

J2昇格プレーオフを戦うことになった町田ゼルビアの相馬直樹監督J2昇格プレーオフを戦うことになった町田ゼルビアの相馬直樹監督 町田の相馬直樹監督はそんな手応えを感じていた。2012年シーズンにJ2から降格の憂き目にあったチームは、優勝を信じて不退転の決意で挑んでいる。

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