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日本の宝。鹿島の新エース・柴崎岳の「モダンスタイル」 (3ページ目)

  • 小室 功●文 text by Komuro Isao
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 トップ下でのプレイについて、柴崎はこう語る。

「どのポジションでプレイしようと、大事なのは状況判断。そういう基本的なスタンスは変わらない。攻撃面ばかりを考えるのではなく、相手のボランチをマークしたり、セカンドボールを拾ったり、守備面の役割ももちろん意識している」

 セレーゾ監督は現役時代、攻守に渡って幅広くプレイするモダンなボランチの先駆けだった。そんな御大の薫陶(くんとう)を受けて、現状に満足することなく、少しでも高みを目指そうと日々成長し続けている柴崎。近い将来、日本を代表する選手になることは間違いない。それが周囲の一致した意見だ。が、今の出来なら、1カ月後に迫るブラジルW杯メンバーに入ってもおかしくない。前横浜F・マリノス監督で、サッカー解説者の木村和司氏が言う。

「今季の柴崎はいいね。前線に出て行って決定的なパスも出せるし、点も取っている。守備の能力も高く、攻守に渡って常にいいところに顔を出しているよな。試合の流れが読めるし、本当によくサッカーを知っている。将来的には間違いなく日本代表に入るだろうけど、ブラジルW杯に挑むメンバーに、サプライズで選出しても面白いんじゃないか」

 日本代表のボランチは激戦区。ザッケローニ監督が選出する可能性は低いかもしれないが、柴崎のメンバー入りを推奨する人は決して少なくないだろう。それほど、今季の柴崎は輝いている。

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