破竹の開幕12連勝。湘南にいったい何が起こったのか?
今シーズン、J2で湘南ベルマーレが規格外の強さを見せている。
5月6日に行なわれたJ2第12節、湘南は栃木SCに2-1で勝利。これで開幕戦以来続いている連勝記録は「12」まで伸びた。J2における開幕戦からの連勝記録はすでに塗り替え(それまでは2000年・浦和レッズの開幕8連勝)、J2最多連勝記録(同じく2000年・コンサドーレ札幌の14連勝)にも間もなく並ぼうかという勢いである。12連勝の間に奪った総得点は34。1試合平均でおよそ3点を叩き出す一方で、総失点はわずかに5。どちらもJ2トップの数字であり、この数からも相手をねじ伏せて勝ち続けていることがうかがえる。
湘南ベルマーレの恒例となっている勝利後のラインダンス しかも今の湘南は、ただ結果を残しているだけではない。内容的にも魅力的な、実におもしろいサッカーで勝ち続けているのだから恐れ入る。
では、湘南のサッカーとはどんなものなのか。
ひと言で言い表すならば、「よく走る」。後方から次々に選手が飛び出し、分厚い攻撃を仕掛け、一度ボールを失えば、素早い攻守の切り替えで高い位置から奪い返しに行く。こうして常に相手陣内で攻守を繰り返すのが、湘南の目指すスタイルだ。「よく走る」と言ってしまうと、体力に任せてただ闇雲に走り続けているような印象を与えてしまうかもしれないが、もちろん、そうではない。ここぞというところでスプリントを繰り返す、「持続する瞬発力」が湘南の強さの秘密なのだ。
チームの特性上、小柄で機動力のある選手が多いのかと思いきや、空中戦でも強さを見せる。攻撃がうまくいかず、なかなか点が取れない試合では、セットプレイで確実に得点できるのも湘南の強みだ。
昨シーズンの主力のうち、MFの高山薫とハン・グギョンが柏レイソルへ、そしてDF大野和成がアルビレックス新潟へそれぞれ移籍(大野は期限付き移籍終了)。メンバーの顔ぶれは入れ変わったが、それでもスタイルに変化はなく、むしろ破壊力が増した印象さえ受ける。
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