広島3連覇のカギ握る野津田岳人「サブでは満足できない」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 野津田の最大の魅力は、点の取れるMFだということ。利き足の左足から繰り出される、強烈なキックを生かした得点能力の高さが、何よりの武器だ。昨季の出場時間を90分の試合数に換算すれば、わずかに2.5試合程度。それで4得点を挙げているのだから、なかなかの高確率である。

 野津田自身、「(攻撃の)組み立ては得意」だと言いながらも、「ミドルシュートは自分の持ち味。チームにあまり打つ人がいないので、それを試合中にどれだけ出せるかっていうのも、アピールにつながるひとつのポイントだと思う」と話す。

 とはいえ、昨季の結果は、いわばスーパーサブとしてのもの。そんな役割だけでは「ちょっと満足できない」と、野津田は苦笑いを浮かべる。むしろ出場経験を重ねたことで「(レギュラーを取りたいという)欲は大きくなった。スタメンでやりたい」ときっぱりと言い切る。

 現状では、野津田が控えの立場にいることは間違いない。キャンプ中に行なわれた練習試合でも、Bチームで出場することがほとんどだった。野津田が語る。

「自分も戦えるっていうことを証明するためにも、A(チーム)に入ったときにどれだけやれるかが大事だと思うけど、まずはここ(Bチーム)で結果を残すことが一番大事だと思う。(Bチームの試合で)得点が取れていることは自分にとって自信になるので、これを継続してできるようにしたい。そうやってAで出たときにも同じような結果が残せれば、アピールになるし、(試合で)使ってもらえるようになるのかなと思う」

 2月22日に行なわれるゼロックス・スーパーカップ。広島の先発メンバーは、浦和レッズへ移籍した西川周作に代わって、GKにはベガルタ仙台から加入した林卓人が、キャンプで負ったケガの回復途上にある森﨑和幸に代わって、ボランチには徳島ヴォルティスから移籍してきた柴崎晃誠が、それぞれ出場する以外は、昨季の主力がそのまま残ることが予想される。

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