広島3連覇のカギ握る野津田岳人「サブでは満足できない」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 だが、長いシーズンの中ではリーグ戦と並行して、AFCチャンピオンズリーグやナビスコカップも戦わなければならない。ときには週2試合ペースで連戦が続くこともある。

 いかに主力が安定した強さを身につけて連覇を果たしたとはいえ、若手の台頭がなければ、リーグ戦3連覇をはじめ、広島がさらにタイトルの数を増やしていくことは難しい。

 下部組織時代から広島生え抜きのレフティは、自分に求められている役割を理解したうえで、力強い言葉を口にする。

「(レギュラー組に)負けないっていう気持ちは常に持っているし、今年は前に行くっていう気持ちも強く持っている。どんどんチャレンジして、中心選手を脅かすくらいになりたい。自分もできるんだっていう自信を持ってやらないと立ち向かえないと思うし、その姿勢を試合でもどんどん出せればいいなと思う」

 今年20歳になる野津田は、いわゆる“リオ世代”。2年後のリオデジャネイロ五輪には「絶対に出たい」と話す。今年1月に立ち上げられた五輪代表に今後選ばれることは、野津田の目標のひとつではあるが、今は「チーム(広島)で結果を残したら自然と呼んでもらえるようになると思うし、向こう(五輪代表)で自信を持ってできるように、チームでしっかり結果を残したい」と、あくまで広島でのポジション獲得に全力を注ぐ。

 いくつもの希望を抱く19歳は、広島の秘密兵器となれるのか。広島が3連覇という偉業を成し遂げられるか否かは、若きレフティの成長にかかっていると言っても大袈裟ではない。

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