【ワールドカップ2026 】まもなく39歳になるメッシは、さらなる輝きを放つか
【ワールドカップ2026 注目選手】
(4)リオネル・メッシ(アルゼンチン)
世界中の視線が注がれるワールドカップで、常に注目を浴び続ける選手。言わずと知れた、リオネル・メッシである。2022年大会で悲願の頂点に立った彼は、大会期間中の6月24日に39歳を迎えるタイミングで連覇に挑む。
photo by Aflo
「史上最高」を更新し続けた選手経歴
1987年、アルゼンチンのロサリオに生まれたメッシは、13歳でスペインの名門バルセロナの門を叩いた。病を克服するため、治療を続けながら成長をしたメッシの歩みは、まさに伝説の連続であった。
バルセロナでは778試合の公式戦に出場し、クラブ歴代最多となる672ゴールを記録。10度のラ・リーガ制覇、4度のUEFAチャンピオンズリーグ優勝など、計35個のタイトルをクラブにもたらした。個人としても世界最高の選手の証である「バロンドール」を史上最多の8度受賞している。
2021年にはパリ・サンジェルマンへ移籍し、フランスでも2度のリーグアン優勝を経験。その後、2023年夏にはアメリカ・MLSのインテル・マイアミへと新天地を求めた。米国上陸後もその影響力は衰えず、加入直後にリーグスカップを制覇し、クラブに史上初のタイトルをもたらした。2024年シーズンには、19試合20ゴールを達成するなど、北米の地でも「メッシ・マジック」を披露し続けている。
ワールドカップにおける苦悩と栄光
しかしワールドカップは、メッシにとって長い苦悩の物語であった。2006年のドイツ大会で18歳でデビューを果たしてから、2022年カタール大会まで計5大会に出場しているが、2022年に頂点に立つまで常に苦難を味わい続けてきたのである。
特に2010年南アフリカ大会では、ディエゴ・マラドーナ監督のもと背番号10を背負い主役を務めるも、5試合で0ゴール。チームは準々決勝でドイツに0-4と大敗した。さらに2014年ブラジル大会では、キャプテンとしてチームを牽引し決勝に進出したが、またもドイツに延長戦で敗れ準優勝。大会MVPに選ばれたものの、トロフィーを横目にうなだれる姿は世界中に強い印象を残した。
ワールドカップでは「マラドーナを超えられない」という批判に常にさらされ、一時は代表引退を示唆するほどの窮地に追い込まれたメッシだが、2022年カタール大会でついに大爆発し、アルゼンチンを優勝に導いた。グループステージから決勝戦まで全試合に出場し、7ゴール3アシストを記録して自身2度目となるMVPを受賞。またすべてのフェーズ(16強、準々決勝、準決勝、決勝)でゴールを挙げた史上初の選手にもなった。通算出場試合数は「26」まで伸ばし、元ドイツ代表のローター・マテウスを抜いてワールドカップ出場記録歴代単独1位に躍り出た。
再び栄冠へと踏み出す
2022年大会終了後、メッシは「これが最後のワールドカップになる」と示唆していた。しかし、王者として戦う喜び、そしてアルゼンチン代表の充実した環境が、彼の決断を前向きなものに変えていった。大会開催国のひとつが、現在彼がプレーするアメリカであることも、彼が出場を決意する大きな要因となったことも想像に難くない。
南米予選において、アルゼンチン代表は王者の貫禄を見せつけ、序盤から首位を快走。メッシ自身も予選初戦のエクアドル戦で鮮やかなフリーキックを沈め、その後も要所で決定的な仕事を果たした。特に、長年のライバルであるブラジルとのアウェー戦での勝利などは、チームの士気を大いに高める結果となった。アルゼンチン代表は2026年大会でW杯連覇に挑む。
代表の絶対的な柱として
まもなく39歳となるメッシに、全盛期のようなスピードやスタミナを期待するのは現実的ではないかもしれない。しかし、現在の彼にはそれを補って余りある経験がある。
近年のメッシは、より低い位置から試合を組み立てるゲームメーカーとしての色彩を強めている。一瞬の隙を突くスルーパスや、相手の守備ブロックを無力化するサイドチェンジの精度は、さらに研ぎ澄まされている。リオネル・スカローニ監督のもと、フリアン・アルバレスやアレクシス・マック・アリスターといった機動力のある若手が周囲を固めるなかで、メッシは「歩きながら急所を刺す」という独自のプレースタイルで試合を支配する。
さらにメッシの存在は、戦術以上の意味を持つ。彼がいるだけで相手は強く警戒し、味方は絶対的な自信を持ってプレーできるのだ。
今回のワールドカップでメッシがピッチに立てば、史上初となる6大会連続出場という偉大な記録が誕生する。また現在26試合となっている通算出場試合数をどこまで伸ばすのか、あと3点に迫っているミロスラフ・クローゼの通算得点16点に追いつき追い越すことができるのかなど、レジェンドへの注目は尽きることがない。

