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京都橘・小屋松知哉、高校サッカー敗退後に誓った「Jでの飛躍」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 小屋松が武器とするのは、何よりスピード。身長は171cmと小柄だが、前を向いたときの速さは高校レベルでは簡単に止められることがなかった。

 低い位置でも前を向かせてしまえば、30、40mのドリブルは当たり前。グングン加速し、あっという間に相手ゴールに迫ってしまう。

 だからといって相手DFが小屋松ばかりに気を取られれば、この小柄なFWは冷静にフリーの味方へパスを送る。自身でシュートを放つばかりでなく、味方を生かした冷静なチャンスメイクでも非凡なところを見せていた。

 小屋松の力が存分に発揮されたのは準々決勝。優勝候補の筆頭、市立船橋との一戦だった。

 押される展開の中、小屋松は鋭いドリブルでマークを振り切って先制点を決めると、今度は味方とのパス交換で巧みにスペースへと抜け出し追加点。強烈なミドルシュートを突き刺したり、何十mもドリブルして決めたりしたわけではなかったが、いずれもハイレベルなスーパーゴールだった。

 驚異的な加速で敵DFを振り切るばかりでなく、きっちりとゴールにつなげるフィニッシュの形を持っている小屋松。準決勝で惜しくも星稜に敗れはしたが、能力の高さは今大会でも際立っていた。

 小屋松の名を世に広く知らしめたのは、昨年度の高校選手権。快足を生かしてゴールを量産。京都橘を初の決勝に導くとともに(準優勝)、自身は5ゴールを挙げ、得点王にも輝いた。

 3年生となり、チームのキャプテンになった今年度はU-18日本代表にも選出され、昨秋のアジアユース選手権予選に出場。今秋はU-20W杯出場のかかった、アジアユース選手権での活躍が期待されている。

 2014年最初の目標である全国制覇はならなかったが、「3年間やってきたことをしっかり出せた」と小屋松。準決勝敗退にも「やり切った気持ちのほうが大きい。自分なりにスッキリしている」と振り返った。

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