2014.01.14

【高校サッカー選手権】
富山第一、初V! 奇跡の逆転劇はなぜ起きたのか

  • 粂田孝明(ストライカーDX編集部)●文 text by Kumeta Takaaki(STRIKER DX)
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 富山県代表の富山第一と石川県代表の星稜という、史上初の北陸勢同士の対決となった第92回全国高校サッカー選手権大会決勝。延長戦にまでもつれた死闘は、富山第一が3-2で制して初優勝を飾った。

見事な逆転勝利で、高校サッカーの頂点に立った富山第一。 試合は、まさに”劇的”なものだった。

 開始から主導権を握っていたのは、富山第一だった。1トップの渡辺仁史朗(3年)の走力を生かし徹底して裏のスペースを突く、ゴリゴリと相手を押し込むサッカーで星稜に圧力をかけた。前半6分にはFKで、17分にはCK、そして19分にはショートカウンターでゴールに迫った。

 しかし、ここまで4試合無失点で勝ち上がってきた星稜DF陣の壁は厚かった。寄せが素早いうえ、ボールを蹴り出すまで粘り強く対応されて、なかなかゴールネットを揺らすことができなかった。

 すると、思わぬところに落とし穴が待っていた。守備でも星稜のカウンターにきっちり対応し、危ないシーンはほとんどなかった富山第一だが、前半34分、ゴール前のラフプレイからPKを取られて、まさかの失点を喫した。

「先制点を取って逃げ切ろうと考えていたが、あの失点でプランが崩れてしまった」(富山第一・大塚一朗監督)

 想定外の展開となったことで、富山第一の攻守の歯車がやや狂い始めた。後半もボールを支配し、チャンスメーカーの大塚翔(3年)、左サイドハーフの野沢祐弥(3年)、左サイドバックの竹澤昂樹(たけざわ・たかき/3年)らがチャンスを生み出そうとするが、リードされた焦りからか、”ここ”というところでボールが収まらなかったり、連係が微妙にずれたりして、決定機を作るまでには至らなかった。さらに、星稜が守備に人数をかけて、より厳しいチェックをし始めたことで、ゴールはますます遠のいた。