2014.01.18

なでしこの原石が光り輝いた、高校女子サッカー選手権大会

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 サッカー界の冬の風物詩といえば、元旦の天皇杯決勝と老若男女を虜(とりこ)にする高校サッカー選手権がイメージされるが、高校女子サッカー選手権も今大会ではそれらに負けないドラマを生み出した。

優勝した日ノ本学園はインターハイと合わせて高校女子サッカー界初の2冠を達成した 夏から冬に開催を移行して2年目。1月16日にヤマハスタジアム(静岡)で行なわれた日ノ本学園(兵庫)vs藤枝順心(静岡)の決勝戦は、ポゼッションサッカーの激突となった。

 地元・藤枝順心は全校生徒による大応援団に後押しされ、最高の舞台で出足からトップギアのプレイを見せる。中心となるのはU-17女子代表でキャプテンを務めるMF杉田妃和(すぎた ひな)。2年生ながら10番を背負い、攻守にその存在感を示す。柔らかなボールタッチで周りを生かすプレイは、チームの柱だ。そこにスピード感あるドリブル突破を武器に持つFW山下史華(2年)、153cmと小柄ながら闘志溢れるストライカー児野楓香(この ふうか/1年)らが絡む。

 前半はわずかに藤枝順心ペースで進むも、日ノ本の最終ラインを崩せず、スコアレスのまま後半に持ち込まれるかと思った前半ロスタイム。ゴールまでやや距離があったものの、杉田が相手DFをかわして鋭い一撃。これが決まって藤枝順心が絶好の時間帯に先制点を奪った。

 後半開始直前、スタンドで声援を送る仲間と共に戦う気持ちから、スタンド側を開けた半円で円陣を組んだのは日ノ本学園。その想いが実を結んだのは59分のことだった。攻撃陣が一気に連動して攻撃に転ずると、最後はMF小島和希子(3年)が決めて試合を振り出しに戻す。さらに61分にはMF八坂芽依(2年)からのパスをベガルタ仙台レディースへの入団が決まっているMF入江未希(3年)が決めて、あっという間に逆転に成功した。

 66分にも追加点を挙げた日ノ本学園は、リードを2点に広げた。地元の藤枝順心もこのままでは終われない。73分、杉田がひとりで持ち込み、相手をかわしながらシュートを放つが、惜しくもポストを叩いた。

 しかし、息を吹き返しかけた藤枝順心を押さえ込んだのは77分、日ノ本学園・入江のゴールだった。スローインから一気にゴール前へ運んだボールを入江が押し込んでダメ押し。真冬の決戦は、4-1で日ノ本学園が藤枝順心を下して優勝、夏のインターハイに続き、史上初の2冠を達成した。