サッカー日本代表、4バックへ急旋回 「肝」となる左右サイドバックの最有力候補は誰だ? (3ページ目)
現状の体調面の不安を別にすれば、利き足の問題をクリアするほどのセンスとパワーを誇る冨安健洋(クリスタル・パレス)も推したい。アーセナル時代、攻撃サッカーを体現した姿は眩しいほどだった。前輪駆動のチームを失点から救うディフェンスも次元が違っていた。ケガや年齢の影響で当時の再現が望めないにしても、サイドにしっかりとふたをし、攻撃のバックアップはできるはずだ。
鈴木淳之介(コペンハーゲン)は左右で万能さを感じさせる。残念ながら、SBに求められるサイドのプレーメイカーになる技術やリズムは持っていない。しかし、サイドアタッカーがボールを持ってリズムを作れる場合、その背後を堅実に守りながら縦のスペースを走り、いい連係を生み出せるだろう。中村敬斗、堂安律らと、どちらのサイドでも変わらないクオリティを見せられるはずだ。
攻撃の仕組みを高める場合は、MFのSBへのコンバートも選択肢だろう。技術と賢さのあるMFとSBには互換性があり、適応に時間を要しない(遠藤航、守田英正、佐野海舟もSB経験がある)。
スペイン代表のエリック・ガルシア、ドイツ代表のヨシュア・キミッヒはその代表格だ。相手の攻めにふたをして、ボールの出口になることはボランチの基本だが、SBはタッチラインを使えるだけに、むしろ優位に立てる。旗手怜央(バーンリー)は左右のSBの適性があるし、福井太智(アロウカ)にもバルサの新鋭、シャビ・エスパルトのような道はあるのではないか。
ディフェンダーでありながら、サイドで攻撃の厚みを与えることができる。SBは日本サッカーのストロングポイントを引き出すために不可欠と言える。堂安、中村、三笘薫、伊東純也、そして久保建英など、サイドアタッカーは恩恵を受けるはずだ。
今やSBがゲームを作るのは、ひとつのトレンドである。日本人にはテクニカルで俊敏な人材が多く、彼らの可能性を信じるべきだろう。それが「世界」と戦うための正攻法だ。
11月のブラジル戦とパラグアイ戦には、このうち何人のSBが招集されるだろうか。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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