サッカー日本代表・森保一監督のワールドカップ総括 「ブラジル戦の失点の場面では、相手をマークしていない選手がいた」 (5ページ目)
【4年がかりの目標は、ほぼ達成された】
── 2018年9月からの8年間で、森保監督の考える『日本型』のゲームモデルは固まってきていますか?
「世界で勝つための積み上げはできている、と感じています。カタールワールドカップを終えて、FIFAランクがひとケタのチーム、ワールドカップのシード分けでポット1に入るチームに勝つには、やはり攻撃を磨かなければいけないとの反省がありました。
一例としてポゼッション率を挙げると、カタールワールドカップのスペイン戦は20対80でした。その数字を5パーセント、できれば10パーセント上げていこうと」
では、カタールワールドカップと北中米ワールドカップで、ボール保持率にどのような変化があったのか(以下はFIFAのインコンテスト=どちらも保持していない時間、を含む集計)。
カタールワールドカップのドイツ戦は22対65(インコンテスト=13)だった。コスタリカ戦は48対39(インコンテスト=13)と上回ったものの、スペイン戦は14対78(インコンテスト=8)と圧倒的にボールを握られた。そしてラウンド16のクロアチア戦は35対51(インコンテスト=14)。
一方、北中米ワールドカップでは、オランダ戦が37対54(インコンテスト=9)。4-0で勝利したチュニジア戦は55対36(インコンテスト=9)と上回り、1-1で引き分けたスウェーデン戦は44対44(インコンテスト=12)だった。
そして、ブラジル戦は30対61(インコンテスト=9)。4年がかりの目標は、ほぼ達成されている。
── この4年間でブラジル相手に30、オランダ相手に37まで保持できるレベルに到達しました。この数字をさらに伸ばしていきながら、日本型を構築していくわけですね。
「一気にひっくり返したいけれど、そんなに甘いものでもありません。20対80は本当に押されている展開で、ワンチャンスあるか、ないかという感じですが、30対70はやられっぱなしという感じでもない。
いずれにせよ、ある程度ボールを持つのは前提です。そのうえで、攻撃へ出ていくには、ボールを奪わないといけない。つまり、守備をしないといけない。組織で守ることは以前からできていて、個で守ることもできるようになってきています。でも、ブラジル戦の2失点の場面では、相手をマークしていない選手がいるんです」
(つづく)
◆森保一・後編>>「1番から11番まで、どういう選手が必要なのか明確にしたい」
【profile】
森保一(もりやす・はじめ)
1968年8月23日生まれ、長崎県長崎市出身。1987年に長崎日大高からマツダ入り。1992年にハンス・オフト率いる日本代表に初招集され、翌年「ドーハの悲劇」を経験。サンフレッチェ広島→京都パープルサンガ→ベガルタ仙台を経て2003年限りで引退。2012年に広島監督に就任して3度のJ1制覇。2017年から東京五輪代表、2018年からA代表を率い、2022年カタールワールドカップでベスト16入り。2026年北中米ワールドカップ後も続投して2027年アジア杯まで指揮する。日本代表通算35試合1得点。ポジション=MF。身長174cm。
著者プロフィール
戸塚 啓 (とつか・けい)
スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専
門誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より 7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグ ワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本 サッカー』(小学館)
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