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サッカー日本代表のオランダ戦でスペインの名伯楽が鎌田大地を絶賛 「世界的にもトップレベルのMFだ」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【どこで何をやればいいかを心得ている】

 エチャリはそう言って、日本の攻守を高く評価していた。なかでも絶賛したのは左ボランチに入った鎌田大地だった。ちなみにエチャリはカタールワールドカップの前から、鎌田の適性ポジションを"予見"していた。

「これまでも語ってきたように、鎌田は今日のサッカー界ではなかなか巡り会えない選手と言える。世界的に見てもトップレベルのMFだ」

 エチャリはそう称賛し、こう語っている。ラ・レアル時代、シャビ・アロンソを司令塔として見出した経歴は飾りではない。

「鎌田はとにかくプレービジョンに優れているし、どこで何をやればいいのかを心得ている。単にキックがうまい、足が速いという選手はどこにでもいる。しかし、時間や空間を把握し、タイミングをわかっている選手というのは少ない。たとえ劣勢でも、彼はやるべきことができる。たとえば、上田綺世の走り出しに合わせたスルーパスなどは、一瞬で状況を変えており、秀逸だった」

 森保ジャパンが戦力に恵まれ、いい滑り出しをしたことは間違いなさそうだ。

「残念ながら、日本は高さの勝負ではどうしても劣勢になるところはあった。はっきり言って、そこには少なからず不安を抱えている。アジアカップなどをスカウティングしたときもそうだったが、ハイボールに対しては改善の余地があるだろう」

 エチャリはそう弱点を指摘する一方で、ポジティブな面を語る形で締めくくっている。

「終盤の2点目では、コーナーキックから途中出場の小川航基が空中戦で競り勝ってやり返していた(シュートコースに入った鎌田の頭に当たり、彼のゴールになったが)。小川はオランダのゾーンディフェンスの隙を突く形でいいポジションを取って、おそらくチームとしてデザインしたものだろうが、フリーで強烈にボールを飛ばしている。やられたらやり返す。その勇敢さが出た象徴的なシーンだったと言えるだろう」

 次のチュニジア戦も、勇敢さはひとつのキーワードになるかもしれない。

Profile
ミケル・エチャリ
1946年生まれ。サン・セバスティアン出身のスペイン人指導者。選手としては膝のケガにより27歳で引退し、その後は指導者に転身した。レアル・ソシエダでは20年以上にわたり強化ディレクター、育成ディレクター、セカンドチーム監督などを歴任。ホセバ・エチェベリア、ハビエル・デ・ペドロ、シャビ・アロンソなど多くの選手に影響を与えた。エイバルでは監督を務め、バスク代表監督(FIFA非公認だが、バスク最高の指導者に与えられる栄誉職)も10年以上務めた。また、指導者養成学校の教授も務め、教え子にウナイ・エメリ、ミケル・アルテタ、フアン・マヌエル・リージョらがいる。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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