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サッカー日本代表の構造が見えたアイスランド戦 久保建英が攻撃を牽引もチームとしての輝きはなし (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【カタール大会からむしろ後退】

 前半、緩慢な滑り出しのなかで、久保は自らの動き出しで中村敬斗のパスを引き出し、それを中村にリターン。シュート性のクロスは誰にも合わなかったが、攻撃を"発現"させている。その後もボールを持つだけで創意工夫のないチームで、右サイドから強引なカットインからワンツーで相手を揺さぶり、中盤に下がって攻撃を作って、あわやPKかというシーンを作り出した。

 35分には、久保が自ら蹴ったFKのこぼれを拾って遠目から左足ボレーで打ち抜き、37分には右サイドでダブルチームを縦に抜いて、右足クロスをファーの中村の頭に合わせた。アディショナルタイムには、中盤に下がってボールを出し入れし、伊東純也とのワンツーで押し入り、中村へパス。そのクロスを冨安健洋がボレーで打ち込んでいる。

 どれも得点には至らなかったが、久保はアイスランドの選手をものともしていなかった。

 久保と通じ合っていた中村も、ヒーローの可能性を感じさせた。後半から入った佐野海舟、そしてこの日は不在だった鎌田大地が入ったら、どんな相手でも相応の形は作れるだろう。彼らが輝くことで、周りも触発されるはずだ。

 しかし、それはあくまで選手個人が持っている実力、経験が起こす現象で、チームデザインのなかでの輝きではない。

 この日、ピッチに立ったほとんどの日本人選手にとって、対峙した相手は肌感で一枚も二枚も下のはずだったが(所属クラブを比較すれば一目瞭然。アイスランドはアンドリ・ルーカス・グジョンセン/ブラックバーン、アルベルト・グズムンドソン/フィオレンティーナなど主力の半数以上を欠き、欧州の有力クラブでプレーする選手は少なかった)、チームとして凌駕することができていない。むしろ、不具合を生じさせていた。

 日本は、相手がブロックを作ると再現性のある攻撃ができない。守備も何度か破綻しかけており、カタールワールドカップからむしろ後退していた。選手個人の能力は上がっていても、チームとしての枠組みの問題が大きい。結局は、"必死に人海戦術で守り、カオスのなかで一発のカウンターを発動する"というエモーショナルなチーム構造になっている。

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