サッカー日本代表U21世代がU23アジアカップ優勝のなぜ 若い選手たちの成長スピードが速い (3ページ目)
【五輪は狭き門で今後の強化策は難しい】
こうして、日本サッカー協会の山本昌邦技術委員長兼ナショナルチームダイレクターが提唱する、100人以上の選手を常時招集できる選手層を作る「ラージ100」に一歩近づいたのもプラス材料だ。五輪本大会やその最終予選を兼ねた次回のU23アジアカップがインターナショナルマッチウィーク外で開催される可能性もあるだけに、計算できる選手が増えた事実はチームの強化にとって大きな意味を持つ。
しかし、ここから先は茨の道となる。
まず、ロス五輪からは男子サッカー出場枠が全体で12カ国となり、アジア枠は前回の3.5から2に減っている。
日本は次回のU23アジアカップ開催に立候補する可能性があるが、FIFAからの通告では2027年8月までに五輪予選を終わらせなければならないという。そうなると、U23アジアカップの本大会と予選がこの先1年半の間に入るため、時間が残されていないことがわかる。
今後の強化試合のマッチメイクも様々な思考を巡らせなければならない。最終予選を見据えてアジアの国と戦うのか、それとも先を見据えて欧州や南米の強豪国と戦うのか。
五輪出場が決まったとして2027年秋以降に強化試合を組むにしても、出場国以外は五輪世代のチームを有していない状況になる。そうした他国とのバランスを見ながら事を進めなければならず、強化策の舵取りは困難を極めるだろう。
とはいえ、選手たちの成長スピードが加速し、選手層が拡大されている点は大きい。あとは選手たちが今の力に過信せず、努力を重ねられるか。さらなる成長を貪欲に求めていけば、2年後の五輪は"誰が出ても強い日本"を作り上げることが可能なはずだ。
著者プロフィール
松尾祐希 (まつお・ゆうき)
1987年、福岡県生まれ。大学卒業後、サッカー専門誌『エルゴラッソ』のジェフユナイテッド千葉担当や『サッカーダイジェスト』の編集部に籍を置き、2019年6月からフリーランスに。現在は育成年代や世代別代表を中心に取材を続けている。
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