サッカー日本代表U21世代がU23アジアカップ優勝のなぜ 若い選手たちの成長スピードが速い (2ページ目)
【すでに海外組、A代表組もいる世代】
前回のパリ五輪世代は2022年大会の開幕を迎える時点で、A代表デビューを果たしている選手がひとりもいなかった。しかし、今大会に参加したロス五輪世代ではすでにMF佐藤龍之介(FC東京)とMF大関友翔(川崎)がデビューを飾っており、佐藤に関しては今年6月のW杯出場を視野に入れるほどの力を持つ。
また、前回のパリ五輪世代が臨んだ2022年大会は6月開催だったが、今回は1月。こうした時期の差を踏まえても、今回のロス五輪世代は明らかに前倒しで次のステージに進んでいる印象が強い。
この世代がU-20W杯やU-17W杯に出場して経験を積めたことも大きく、若くして海外で活躍する選手も増えていて、今回、国内組で組んだ選手たちにもいい刺激を与えている。
FW後藤啓介(シント=トロイデン)やFW塩貝健人(ヴォルフスブルク)といった世代屈指のストライカーや、19歳で5大リーグ挑戦を勝ち取った左SB小杉啓太(フランクフルト)といった実力者が、今回は不在だった。そのほかにも多くの海外組が、シーズン中の関係で出場が見送られている。加えて、今回は負傷で参加できなかったが、昨年7月のE-1選手権でA代表デビューを飾ったGKピサノ アレクサンドレ幸冬堀尾(名古屋グランパス)もいる。
海外組をひとりも招集できなかったとしても、今回のメンバーには今後の飛躍を予感させる選手が大勢いた。彼らは海外組やA代表デビューを飾った同世代から刺激を受け、当たり前のように次のステージを目指す。しかも、そこをゴールとしておらず、W杯優勝を現実的な目標として捉え、より高い頂に登ろうとして歩みを止めない。そうした好循環のサイクルが、爆発的な成長に結びついたと言えるだろう。
この世代の最強メンバーを組めなかったとしても、佐藤や大関、DF市原吏音(RB大宮アルディージャ)といった中心選手がチームをまとめ、今大会の最優秀GK賞を受賞した荒木琉偉(ガンバ大阪)、快速ドリブラーFW横山夢樹(セレッソ大阪)、中盤の潰し屋・MF小倉幸成(法政大)、左SB梅木怜(FC今治)らが目覚ましいプレーを見せた。
昨秋のU-20W杯出場を逃したDF永野修都(藤枝MYFC)も大きく成長。一皮向け、CBとアンカーで計算できる目処がついた。実績がある選手たちのプレーに触発され、経験が浅い大学生組も躍動。プロ注目のアタッカーFW古谷柊介(東京国際大)、190cmの大型右SB小泉佳絃(明治大)、大岩監督から期待を懸けられている187cmのCB岡部タリクカナイ颯斗(東洋大)も結果を残し、今後の可能性を広げた。
長期間に渡る代表活動のなかで、選手たち発信で世界基準を落とし込めたことも大きい。特に佐藤や大関といったA代表組が目線を下げず、上のレベルを求めて他の選手に要求。試合中に激しく叱咤する姿が何度も見られ、練習でも一つ上の基準で求め続けたことが成長を促した。大岩剛監督も彼らの功績と、周囲への影響をこう語る。
「僕自身、チームの作り方として基準をぶらさないことを求めている。パリ五輪世代の時もそうでした。我々は仲良し集団じゃない。高いレベルの基準を知っている人間が我々のグループの基準を作る。それが代表の基準。いつも言っているから、それについてこられるように他の選手にも求めていく。ポテンシャルを持った選手たちが引っ張ってくれたのは大きかった」
2 / 3

