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サッカー日本代表とのワールドカップ同組を嘆くチュニジアメディア 「オランダより不安要素」 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【テレビでは日本の試合を放送】

 チュニジア代表は今年の2月から、かつての代表選手、サミ・トラベルシ監督が率いている。

 ワールドカップアフリカ予選の結果は10試合で9勝1引き分け。無失点でワールドカップ行きのチケットを手に入れた。親善試合でも6月にモロッコに0-2で敗れて以来、負けがなく、そのなかにはブラジル戦(1-1)も含まれている。ブラジルはチュニジアの強固な守備、素早い中盤、何よりもその闘志に驚かされていた。

現在行なわれているアラブカップではグループステージで敗退したチュニジア代表 photo by Reuters/AFLO現在行なわれているアラブカップではグループステージで敗退したチュニジア代表 photo by Reuters/AFLO ところがここにきて、国内では代表、特にトラベルシ監督に非難の声が上がっている。現在カタールで開催中のアラブカップで、グループリーグで敗退してしまったからだ。優勝候補の一角とも言われていただけに、チュニジアの人々はショックを受け、「1試合中にあまりにもころころとシステムを変えすぎだ(3-4-3、4-3-3、3-5-2)」と、監督の手腕が疑われ始めた。

 チュニジア代表は今後、モロッコで行なわれるアフリカネーションズカップに出場する。もしここでも早期敗退をするようであれば、トラベルシ監督のクビも危うくなるかもしれない。

 そのトラベルシ監督は、日本と同じグループに入ったことについて次のように語っている。

「グループにヨーロッパの強豪が入ることはわかっていた。だがまさかアジア最強まで入るとは......」

 彼は戦術面での懸念について率直に語った。

「オランダと日本、このふたつのチームは非常に危険なのだ。ともに攻撃にスピードがあり、ハードなプレーをする」

 そして監督はこれからの課題として、緊急に準備をする必要性を強調した。特に日本に対して――。

「オランダはよく知られている相手だが、日本は未知数だ。今後、数カ月で日本について調べ、多くの作業を行なう必要がある。そしてワールドカップまでに万全の準備をし、日本に驚かされないようにしないといけない」

 トラベルシ監督は、日本との試合がチュニジアの運命を決定づける重要な試合になると結論づけた。

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