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サッカー日本代表のベスト&ワーストシナリオ ワールドカップ優勝の夢を打ち砕く組み合わせとは (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【アルゼンチン・ノルウェー・イタリア】

 周りが煽るほどチーム内には過信が芽生える。どれだけ「そんなにうまくはいかない」と自省しても、それは避けられない。だからこそ、周囲はバブルのような"楽勝の気配"を作るべきではないのだ。

 事実、最悪の想定もある。たとえばアルゼンチン、日本、ノルウェー、イタリアという組み合わせもない話ではない。

 アルゼンチンは唯一無二のリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)を擁し、今回の南米予選も1位で、ブラジルには連勝して蹴散らしていた。カタールワールドカップ優勝メンバーのGKエミリアーノ・マルティネス(アストン・ヴィラ)、DFニコラス・オタメンディ(ベンフィカ)、MFアレクシス・マック・アリスター(リバプール)、FWフリアン・アルバレス(アトレティコ・マドリード)、ラウタロ・マルティネス(インテル)が健在で、ジュリアーノ・シメオネ(アトレティコ・マドリード)、フランコ・マスタントゥオーノ(レアル・マドリード)など野心的若手も次々に出ている。

 残念ながら、日本よりも戦力は上だ。

 そしてノルウェーは最大の脅威だろう。ワールドカップ欧州予選でイタリアを寄せつけなかった強さは本物で、それがポット3にいるのはどの国にとっても悪夢と言える。アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)、アレクサンダー・セルロート(アトレティコ・マドリード)の2トップは高さ、速さ、強さ、うまさを兼ね備え、その破壊力はすさまじい。

 日本は単純な高さや強さに現在も弱く、機動力や工夫で対抗できるか。

 ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督率いるイタリアは戦術的に凡庸で、昔日の面影はない。プレーオフで勝ち残れても、守備は堅牢だが勝負強さ、得点力は失われている。ただし、守護神ジャンルイジ・ドンナルンマ(マンチェスター・シティ)は健在で、昨季チャンピオンズリーグファイナリストのインテルに所属するアレッサンドロ・バストーニ、ニコロ・バレッラ、ダヴィデ・フラッテージは強力なカードだ。

 森保ジャパンは、果たして手負いで挑みかかるイタリアの息の根を止められるのか。

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