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サッカー日本代表のベスト&ワーストシナリオ ワールドカップ優勝の夢を打ち砕く組み合わせとは (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【ポット2入りは確かに有利だが...】

 来年6月に開催される北中米ワールドカップの足音が聞こえてきた。

 FIFAの正式な発表はまだだが、グループリーグの組み合わせ抽選会を前に、FIFAランキング18位の日本がポット2に入るのは確定的になった。これは史上初めてで、優位性があるのは間違いない。前回のカタールワールドカップはポット3でドイツ、スペインと同組だったが、2カ国の強豪とぶつかる可能性が低くなったのだ。

 たとえばグループリーグでは、カナダ、日本、チュニジア、ニュージーランドという組み合わせも考えられる。

 率直に言って、日本にとっては格下ばかりである。開催国の後押しを受けたとしても、カナダの夢を打ち砕くことはできるだろう。チュニジアは予測不可能なプレーをしないチームで、組織の強さの応酬だったら日本に分がある。ニュージーランドとの実力差は明らかだ。

 森保ジャパンは、選手の所属クラブだけを見ても戦力が整っていることはわかる。

ブラジル、ガーナ、ボリビアに3連勝して2025年をしめくくった日本代表 photo by Sano Mikiブラジル、ガーナ、ボリビアに3連勝して2025年をしめくくった日本代表 photo by Sano Miki 上田綺世(フェイエノールト)は今シーズン、オランダリーグで得点を量産している。鎌田大地(クリスタル・パレス)、久保建英(レアル・ソシエダ)は技術、知性で別格。南野拓実(モナコ)もそれに続く。三笘薫(ブライトン)、中村敬斗(スタッド・ランス)、堂安律(フランクフルト)、伊東純也(ゲンク)は違うリズムを持つアタッカーだ。遠藤航(リバプール)、守田英正(スポルティング)、佐野海舟(マインツ)の中盤は強固で変化もつけることができる。板倉滉(アヤックス)、渡辺剛(フェイエノールト)はオランダの名門でバックラインを務める。

 ケガ人が多く出るなかでも、10、11月シリーズはブラジル、ガーナ、ボリビアに3連勝し、地力を示したと言える。「ワールドカップ優勝」と、威勢のいい声も増えてきた。

 しかし、過去のワールドカップでは、前評判が高く大風呂敷を広げたときほど一敗地にまみれている。グループリーグで敗退した2006年ドイツ大会しかり、2014年ブラジル大会しかり。一方で、大会前は批判に晒されていた2010年南アフリカ大会、2018年ロシア大会はベスト16に勝ち進んだ。

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