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サッカー日本代表は攻めきれず、守りきれず 戦術は迷宮入りのままブラジル戦へ (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【システム運用は迷宮入りか】

 確かにこの試合で左WBを務めた中村にしても、あるいはこれまでの三笘薫や前田大然にしても、献身的に守備に戻るプレーには目を見張るものがある。しかしその一方で、自陣ボックス付近における守備方法については、専門職のDFには及ばないのは当然だ。とりわけW杯レベルの相手であればそれを見逃すわけもなく、このままでは今後もそのディテールの部分によって失点してしまうケースが十分に予想される。

 失点を上回るだけの決定力を兼ね備えているわけでもなく、かといって敵陣で攻撃し続けるだけのポゼッション能力があるわけでもないなか、果たして両WBにアタッカーを配置する現在の3バックシステムを本番に向けて継続することはできるのか。

 次のブラジル戦は今回の試合とは異なる構図になると予想できるが、そのなかで森保一監督はどのような戦い方を選択するのか。アメリカ戦の後半で採用した4バックを機能させる術を持っていない現在、日本の選択肢は限られている。

 迷宮入りが現実のものとなりつつある現在、ブラジル戦が今後の行方を大きく左右する可能性は高いと見ていい。そういう意味でも、見逃せない試合になりそうだ。

著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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