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サッカー日本代表初招集組にワールドカップ行きのチャンスは? 過去E-1選手権でブレイクした選手たち (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【前回E-1で得点王に輝いた相馬と町野】

 大会名がE-1選手権となった2017年大会は、Jリーグ終了直後に日本で開催された。優勝した川崎フロンターレからCB谷口彰悟、DF車屋紳太郎、MF大島僚太、FW阿部浩之、J1得点王の小林悠がセレクトされ、得点ランク上位のFW川又堅碁(ジュビロ磐田)、FW金崎夢生(鹿島アントラーズ)も招集された。10人が国際Aマッチ出場歴のない選手だった。

 チームは北朝鮮を1-0、中国を2-1で下すが、韓国には1-4で敗れた。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「韓国とは比較してはいけないぐらいの差があった。フルメンバーの代表でも、今日の韓国に勝てたがどうかわからない」などと話した。

 ハリルホジッチ監督は翌年4月に解任された。このため、E-1のパフォーマンスとロシアワールドカップのメンバー選考に、どこまで関連性があったのかははっきりとしない。

 確かなことがあるとすれば、E-1で国際Aマッチデビューを飾った選手のなかから、ロシアワールドカップのメンバーに入ったのは植田直通ひとりだったということである。その彼も、ロシアでは出場機会に恵まれなかった。

 2022年7月開催の前回大会では、GK谷晃生(湘南ベルマーレ)と鈴木彩艶(浦和レッズ)、MF藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)、FW細谷真大(柏レイソル)、FW町野修斗(湘南ベルマーレ)らが国際Aマッチにデビューした。チームは韓国を3-0で下すなどして、2013年大会以来となる優勝カップをつかむ。

 同年11月開幕のカタールワールドカップには、E-1で3得点2アシストの相馬勇紀が選出された。さらにはDF中山雄太の負傷により、相馬と大会得点王を分け合った町野がメンバーに滑り込んだ。

 E-1の出場メンバーでは、川崎フロンターレの右SB山根視来とCB谷口彰悟がカタール行きをつかんでいる。だが、彼らはワールドカップ最終予選から代表チームで足跡を刻んでいた。

 山根や谷口はE-1でアピールに成功した立場ではなく、むしろ多くの国内組がテストされながらもカタールに辿り着けなかった事実が浮かび上がる。代表入りした相馬はコスタリカ戦のみの出場に終わり、町野はピッチに立つことなく大会を終えている。

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