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日本代表・森保一監督のサッカー観 「裏を突いてボールを奪うのが好き。僕は性格が、かなり悪いのです」

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

森保一監督インタビュー(後編)

◆森保一・前編>>「ワールドカップで優勝するためには?」
◆森保一・中編>>「新戦力のテストはいつやるの?」

 日本サッカーを前進させる要素は、多岐にわたる。

 そのなかでも、代表強化、選手育成、指導者養成、普及──この4つは、出力の大きなエンジンだ。

 日本代表を指揮する森保一監督も、日本サッカー全体に目配せをしている。

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森保一という人物を掘り下げてみたら...... photo by Sano Miki森保一という人物を掘り下げてみたら...... photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る── 森保監督はさまざまなタイミングで、代表選手を育てた指導者への感謝、普及の重要性に触れています。

「現役引退後に最初に指導者として活動したのは、サンフレッチェ広島のアカデミーの巡回コーチで、その後現在のJFAコーチにあたるトレセンコーチとして地域を回りました。それぞれの地域でサッカー文化の発展のため、環境作りのためにがんばってくださっている人たちがいることを、目の当たりにしました。

 その人たちの努力を思うと、普及から選手育成、代表強化のすべてはつながっていると考えることができます。日本代表の国際舞台でのチャレンジが選手育成のヒントになり、サッカーの環境作りにつながるようにしたいと思います。それと......」

── それと?

「レフェリーも大切な存在です。現場、指導者、レフェリーがイメージを共有して、選手育成をしていければと思っています。強い選手、たくましい選手、ひと言にまとめるならいい選手を育てていくためには、レフェリーとの認識の共有が必要でしょう。

 ジャッジでプレーの内容は変わります。日本サッカー発展のために一緒に戦う仲間として、同志として、レフェリーのみなさんとコミュニケーションを図らせてもらっています」

── 普及については、日本国内でのテストマッチがとてもわかりやすいでしょう。一方で、強豪国とのマッチメイクは海外のほうが実現可能性は高い。ここは難しいところです。森保監督がジャッジできるわけではないですが。

「僕は何かを決められる立場にないのですが、日本代表ですから日本国内で、全国のみなさんに応援してもらいながら戦いたい気持ちはあります。

 同時に、アウェーの厳しさでしか培えないものもある。そこは難しいところです。選手たちが海外で力をつけているように、日本とは違った文化や価値観のなかで戦うことは、すごく大切だと思います」

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著者プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

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