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日本代表・森保一監督のサッカー観 「裏を突いてボールを奪うのが好き。僕は性格が、かなり悪いのです」 (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【日本人選手のチェックでいっぱい】

── ヨーロッパでプレーしている選手は、ヨーロッパで戦うテストマッチのほうが圧倒的にコンディションはいいですね。これはもう、はっきりしています。

「コロナ禍の2020年10月と11月、2022年9月、2023年9月にヨーロッパで試合をしましたが、練習から選手の動き、強度が違うと感じました。アウェーでの戦いはチームとして力をつけるためによりいい環境で、選手を守る観点でもメリットはあります。長距離移動、時差、気候の違いなどから生まれるケガのリスクを抑えることにもなります」

── それは明確に理解しておくべきことですね。

「ただ、繰り返しになりますが、選手たちは日本で試合をしたい気持ちを強く持っています。日本国内で日本のみなさんの前で戦うことに誇りを持っていて、彼らのモチベーションになっています。日本へ帰国することが、リフレッシュにもなるようですね」

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 ヨーロッパでプレーする選手が増えれば、プレーをチェックする対象が増える。確認すべき試合が列をなす。

 もちろん、Jリーグの現地視察と映像のチェックも欠かさない。

 日本代表の活動がない期間でも、森保監督とスタッフは映像やデータなどと向き合い、ミーティングを重ねて次の活動に備えている。

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── 森保監督は日々たくさんの試合を見ているわけですが、個人的に注目しているクラブや監督があり、その対象を追いかけるようなことはできているのでしょうか?

「この監督のチームを必ず見る、というのはありませんね。というよりも、日本人選手の相当な数を追いかけるので、とにかく日本人選手をもっと見よう、もう一度見よう、となります」

── それが実情でしょうね。

「たとえば、ペップ・グアルディオラやディエゴ・シメオネは、長期にわたって同じチームを指揮していますよね」

── グアルディオラは2016年からマンチェスター・シティ、シメオネは2011年からアトレティコ・マドリードの監督を務めています。

「それだけの長期間でも、ちょっとずつやることを変化させている。そういうところは見たいなと思います。

 アトレティコのリーガでの立ち位置は、レアル・マドリードとバルサに次ぐものでありながら、2チームと少し離れたところからどうやって勝っていくのかを考えている。日本代表が世界で勝っていくためにどうするかというところで、アトレティコには応用できるものがあると感じているのですが、日本人選手のチェックでいっぱい、いっぱいでして(苦笑)」

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