日本代表・森保一監督のサッカー観 「裏を突いてボールを奪うのが好き。僕は性格が、かなり悪いのです」 (3ページ目)
【長谷部に指導者のバトンをつなぐ】
── 二度、三度と確認したい選手もいるでしょう。
「ヨーロッパでプレーしている選手については、コーチ陣とグループ分けをして映像の確認をしています。ひとりの選手の映像は必ず複数のスタッフがチェックをして、二重のフィルターをかけるようにしています。
さらに、担当も入れ替えます。攻撃の選手は名波浩コーチ、守備の選手は齊藤俊秀コーチ、GKは下田崇GKコーチが担当しますが、随時入れ替えて違う視点が入るようにしています」
── 森保監督はポジションに関わらず見ていく?
「はい、そうです。ヨーロッパでプレーする選手についてはデュッセルドルフにスタッフがいますので、タイムリーに情報を入れてもらっています」
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日本代表スタッフには、北中米ワールドカップ最終予選から長谷部誠コーチが入閣している。
日本代表の主将として2010年、2014年、2018年のワールドカップに出場し、ドイツ・ブンデスリーガで日本人最多出場を誇る彼は、チームにどのような影響をもたらしているのか。
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── 長谷部コーチに期待するところを、あらためてお聞かせください。
「選手にも我々スタッフにも、彼の経験を伝えてもらう。日本代表選手としての経験、クラブレベルでの現在進行形の経験を、チーム全体に落とし込んでもらう。それを選手にもスタッフにも生かしてもらう、ということです。フランクフルトと日本代表の掛け持ちは大変でしょうが、その両方に関わることが彼の指導者キャリアのプラスになることを願っています」
── それはつまり、指導者のバトンをつなぐことになります。
「そうですね。日本代表で言えば、西野朗さんが僕をロシアワールドカップのコーチに選んでくれて、カタール大会では僕が監督を務めました。同じように自分も、バトンをつないでいけたらと。
前回のスタッフでは横内昭展(→ジュビロ磐田)さんや上野優作(→FC岐阜)がJリーグの監督となり、日本代表でやっていたことを広く共有してくれたところがあると思うのです。今回のスタッフが契約を終えたあとに何をするとしても、ここでの経験を日本サッカーの発展へつなげてくれると信じています」
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