日本代表・森保一監督のサッカー観 「裏を突いてボールを奪うのが好き。僕は性格が、かなり悪いのです」 (6ページ目)
【愚直にやって勝てるわけじゃない】
── こうやって話を聞いていると、監督とは少しぐらい性格が悪いほうがいいのかな、と思えてきました(苦笑)。
「広島の監督をやっていた当時は、愚直にやっていれば勝てるかなと思っていました。でも、そうですね、必ずしもそうじゃないかもしれないですね(笑)」
※ ※ ※ ※ ※
日本代表の活動は、年間10試合から15試合ほどだ。国際大会で勝ち上がればもう少し増えるが、1試合が持つ意味は重い。たった1試合で、評価が一変するからだ。
それだけに、代表監督の決断はその一つひとつが賛否を巻き起こす。結果に結びつけて厳しく批判されることもある。
森保監督も例外ではない。批判も受けてきた。これから厳しい立場に追い詰められるかもしれない。
そのうえで、間違いなく言えることがある。
日本代表というチームについて、誰よりも考えているのは森保監督である。そして、自分より監督にふさわしい人材がいるのなら、すぐにひとりのサポーターへ立場を変える覚悟を、胸に強く刻んでいる。
<了>
【profile】
森保一(もりやす・はじめ)
1968年8月23日生まれ、長崎県長崎市出身。1987年に長崎日大高からマツダに入団。1992年にハンス・オフト率いる日本代表に初招集され、翌年「ドーハの悲劇」を経験。サンフレッチェ広島→京都パープルサンガ→広島→ベガルタ仙台を経て2004年1月に現役引退。引退後はコーチとして広島とアルビレックス新潟で経験を積み、2012年に広島の監督に就任。3度のJ1制覇を成し遂げる。2017年から東京五輪を目指すU-23代表監督となり、2018年からA代表監督にも就任。2022年カタールW杯の成績を評価されて続投が決定し、現在2期目。日本代表・通算35試合1得点。ポジション=MF。身長174cm。
著者プロフィール
戸塚 啓 (とつか・けい)
スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専
門誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より 7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグ ワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本 サッカー』(小学館)
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