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日本代表・森保一監督のサッカー観 「裏を突いてボールを奪うのが好き。僕は性格が、かなり悪いのです」 (4ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【モドリッチの進化版が出てくる】

── 日本代表監督とスタッフが日本人だからこそ、そうやって経験を広く共有でき、日本サッカー界の財産になる。それこそが、自国の監督が指揮するメリットです。森保監督はJFAのプロライセンスの養成講習会などで、ご自身の体験をお話ししていますね。

「オープンにできないこともあるのですが、できる限り共有していければと。サッカーファミリーに対して隠すことはないというスタンスで、オープンにやってきています」

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 ここからは、森保監督のサッカー観に触れていく。

 現代サッカーのトレンドについて聞いていくなかで、監督自身の哲学が浮き彫りになっていった。

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── サッカーが戦術化、組織化されていくなかで、リオネル・メッシのようなタイプの選手はこれからも出現すると思いますか。

「どうですかねえ......メッシとかディエゴ・マラドーナのように、攻撃に特化してスーパーなことができる選手は、出てくるのが難しいのでは」

── 現代サッカーのトレンドを考えると難しい、と。

「そうなるかな、と思いますね。今はもう、それぞれの大陸とか国でサッカーをする時代ではなく、ヨーロッパにトップ・オブ・トップの選手が集まってくるので。何かに特化してそれだけで勝負する選手というのは、難しいのかなと。

 むしろ、ルカ・モドリッチの進化版のような選手が出てくるような気がします。アスリートとして高い能力を持ち、高いインテンシティのなかでボールを意のままに操ることのできる選手が」

── 今、お話のあった高強度や縦に速いサッカーを、森保監督はどうとらえていますか。10番タイプのゲームメーカーが輝いていた、オールドファッションなサッカーにノスタルジーを感じる方もいますが。

「今のサッカーは好きですね。プレミアリーグを見てきたこともあって、強度が高くてゴール前での攻防が多いサッカーは嫌いじゃないのです。それから、これは現役当時から感じていることですが、『1-0で勝てるチームは強い』というのが僕の持論で」

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