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森保一監督、新戦力のテストはいつやるの? 最終予選を突破したあとの強化ビジョンを尋ねたところ... (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【目指すのはトリプルチーム】

 アジアにおける日本代表は、紛れもない強者だ。守りを固めてくる相手と戦う試合が多い。

 それに対して世界では、攻められながら(あるいは意図的に攻めさせながら)相手を崩していく戦いが、アジアよりも増える。

 日本代表が長く直面してきた「ダブルスタンダード」である。

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── 対アジアと対世界で戦い方が変わることは、チームの強化にどのような影響を及ぼしていますか?

「とにかく世界で勝つことを身につけていくのなら、対世界も対アジアも関係ないのでは。たとえば、ブラジルやアルゼンチンがアジアの国と対戦する。彼らはいつもどおりの戦い方で挑み、勝っていくでしょう」

── たしかに南米予選を戦うブラジルやアルゼンチンは、ワールドカップ本大会と戦い方を変えたりはしません。ただ、アジアと南米では大陸全体のレベルが違います。

「もちろんそうです。日本代表の選手たちとは、さまざまな環境のなかで、さまざまな相手と戦いながら、世界のトップ・オブ・トップとの戦いへつなげていくとの認識を共有しています。引いた相手を崩す。相手の攻撃をしのぎながら取りきる。どちらもできる準備をしていく、ということに尽きると思います」

── ワールドカップでベスト16の壁を越えてベスト8、ベスト4、そして優勝を目指すには、ダブルチームでどのポジションもクオリティが落ちないチームにしていきたいのでは。

「おっしゃるとおりです。カタールワールドカップ当時よりもチーム全体のクオリティが上がってきていますし、目指すのはダブルチームではなくトリプルチームくらい。それぐらいの戦力を持ったなかで、最終的に個々の調子やケガの有無などを考慮して選手を起用していきたいです」

── 候補者が3人いるポジションもありますね。

「ケガ人が全員復帰すれば、それぐらいの競争は現時点でもあると思います。日本代表の活動は(日程的に)2試合が基本ですので、試合の位置づけによって1試合目と2試合目でメンバーを入れ替えることも常に意識してきました」

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