森保ジャパン「ベストメンバー主義」の代償 南野拓実、冨安健洋のケガの責任は誰がとるのか (3ページ目)
【出場時間のシェアはリスクのシェア】
挙げ句、選手にケガをさせてしまった。今年1月に開催されたアジアカップでも、森保采配はケガ人を出している。冨安である。以降、プレミアリーグの出場は1試合のみ。時間にすると4分だ。そのキャリアはいま、完全にストップした状態にある。その責任は誰にあるのか。
日本代表に招集されることは選手にとって喜ばしいことではあるが、一方でリスクを抱えることになる。それは出場時間と密接な関係にある。ベストメンバーを送り出し続け、予想通りケガ人を出した森保采配。昭和の時代を想起させる前時代的な古典的な監督と言いたくなる。
選手は代表招集をあからさまに拒否するとはできない。ケガをしていない限り、それに従わなければならない。欧州組のなかには、本心を言えば不参加を申し出たい選手もいるはずだ。
欧州とは異なり、日本のサッカー産業は代表チーム中心で回る。日本は、外国に比べ、それが言いにくい環境にある。へたをすれば非国民扱いされるだろう。"招集令状"と化しているのだ。
サッカー産業の一翼を担う大手メディアで、森保監督のベストメンバー至上主義に異を唱える論調はどれほどあるか。忖度していると言うより、商売上、ベストメンバー以外はメディアも好ましく思っていないのだ。この構図が選手を苦しめている。欧州組の本音を代弁する人はいない。これが実情だ。
日本は欧州から最も離れた極東の島国だ。移動時間はどこよりも長い。日本代表の欧州組がコンディションを維持することは、他の国の選手より難しいのである。出場時間をシェアするためのルールを作るべきだと考える。出場時間をシェアすることは、リスクをシェアすることと同義。招集の回数や、高校野球の球数ではないが、出場時間にも制限を設けるべきだろう。それは欧州での活動をあと押しする仕組みだ。
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