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サッカー日本代表の最年少が久保建英のままでいいのか 若手登用なしで膨らむ将来への不安 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【強豪国に若手有望株が続々】

 だが、現在と2年後では、代表メンバーは確実に変わっている。スタメンも変わっている。監督にその気がなくても、だ。

 代表選考の決め手は、各選手が所属するクラブの格と出場機会、活躍度で決まる。現在、代表監督から高評価を受けている選手でも、所属クラブで出番がなければ、プライオリティは低下する。そこにケガも絡む。さらに選手は毎年、確実にひとつ歳を重ねる。サッカー選手の寿命は概して野球より短い。35歳になって代表でスタメンを飾る選手はよほどの大物に限られる。いてもチームにひとりかふたりだろう。

 代表選手は誰しも卒業する。顔ぶれは漸次的に入れ替わっていく宿命にある。スタメン、ベンチ入りメンバー、招集メンバーはすべて毎度、わずかずつでも変化を強いられる。

 だが、2022年カタールW杯以後、メンバーはほぼ動いていない。繰り返すが、若手の参入はほぼゼロだ。東京五輪後の会見で「固定メンバーで戦いすぎたのではないか」と問われた森保監督は「日本にはまだ先を見て戦う余裕がない」と述べている。どうやらメンバー選考も同じ論理に基づいているようである。

 若手不在に陥り、メンバーの年齢的なバランスが崩れれば、何より将来が心配になる。森保監督の任期はあと1年半。「先を見て戦う余裕がない」は「自分さえよければ」と同義語である。

「A代表の選手を抜くのは簡単ではない」の言葉にしても、外国の代表チームに目を向ければ、日本より優秀な選手がゴロゴロいる強豪チームでさえ、若手が登用されている。

 わかりやすい例はユーロ2024を制したスペインだ。チームを引っ張ったのは、当時16歳だったラミン・ヤマル(バルセロナ)と同じく21歳だったニコ・ウイリアムズ(アスレティック・ビルバオ)の両ウイングだった。若手の台頭はチームに勢いを与える。両者はリニューアルしたスペインを象徴する存在として、ユーロを席巻した。

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