サッカー日本代表の最年少が久保建英のままでいいのか 若手登用なしで膨らむ将来への不安 (2ページ目)
【ベンチにも入れないパリ五輪組】
インドネシア戦のスタメンにはいつものように森保監督のお気に入りが11人並んだ。負傷で不参加となった谷口彰悟に代わりには橋岡大樹が入った。ベンチ外は長友佑都、関根大輝、高井幸大、藤田譲瑠チマの4人だった。
続く中国戦は多少変化した。三笘薫に代わり中村敬斗(左ウイングバック)、堂安律に代わり伊東純也(右ウイングバック)、鎌田大地に代わり久保建英(シャドー)、守田英正に代わり田中碧(守備的MF)、橋岡大樹に代わり瀬古歩夢(右CB)が入った。だが、ベンチ外メンバーは長友、関根、高井、藤田で変わらず、だった。
Jリーグでも活躍しているとは言い難い長友を、貴重な枠に入れておく理由は何なのか、まったく理解できないが、それは別にして、残りの3人はパリ五輪を戦ったU-23日本代表のメンバーだ。年功序列の論理で外しているのか、と突っ込みたくなる。
日本代表のレギュラークラスでは最年少の久保建英 photo by Sano Miki この1年を振り返れば、最も一喜一憂させられた試合はパリ五輪だった。そこで活躍した3人が現在のA代表にいる。だが試合に出られないどころか、ベンチにも入れない状態では未来につながるストーリー性は生まれない。U-23の強化とは何なのか。東京五輪に臨んだU-24の監督を森保監督が務めた理由は、A代表との連動に主眼があったはずだ。
2000年のシドニー五輪と2002年日韓共催W杯に臨んだトルシエジャパンと同じ理屈だった。実際、東京五輪で活躍した選手はトルシエ時代と同様、カタールW杯をめざすA代表に数多く加わった。A代表に昇格した選手はわずかに3人で、しかもすべてベンチ外という今回とは偉い違いである。
今年の元日に行なわれたタイ戦に先発した五輪チームのCF細谷真大は、その後すっかり呼ばれなくなってしまったが、23歳の久保建英を除けば、細谷こそが直近の日本代表でプレーした最年少のフィールドプレーヤーということになる。
パリ五輪にも同行した山本ND、影山雅永技術委員長はこの事態をどう見ているのか。山本NDは会見で「いまのA代表の選手を抜くのは簡単ではない」と言っている。循環機能が作用していない現状を、ある意味で仕方のないことだと是認しているようだ。
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