サッカー日本代表は最強&ベストメンバーなのに人気低下? ワールドカップ予選に残席あり (3ページ目)
【代表戦のスタンドの景色も様変わり】
決まり文句は「面白いサッカー」ではまったくない。「我々を応援してくださる人に勝利をお届けしたい」だ。範囲を最初から限定するようなこの言い回し、つまり、そうではない人を切り捨てるような言い回しでは、ファンを増やせない。日本代表だからといって、それだけで常に応援しようとするファンは、どれほどいるだろうか。世の中に"日本代表"は溢れている。競技、種目はそれこそ無数に存在すなかで、どうしたらサッカーの日本代表に関心を寄せてくれるか。
ライバルひしめくなかで、「勝利すれば文句なしでしょ」と言わんばかりの姿勢はいかにも高飛車だ。人気にあぐらをかいていると言われても仕方がない。
欧州のチャンピオンズリーグはなぜここまで発展してきたか。各クラブが勝利と同時に面白いサッカーを追求したその産物だ。森保監督的なサッカーをする監督も一定程度、存在する。だが、過去も現在も少数派であり、こう言っては何だが、歴史的に見れば悪役になる。サッカーの普及発展に貢献していない。その間隙を突き、勝利をかすめ取ろうとする側だ。勝利至上主義。しかしその姿勢では、勝てなかった時に何も残らないという悲しい結末が待ち構える。
日本代表戦のスタンド風景もここ20年で大きく変化した。2002年日韓共催W杯の頃は、揃いのユニフォームを着たサポーターは埼玉スタジアムの正面席を背にして左サイドに収まらず、正面スタンドまで広がっていた。反対サイドに陣取るサポーターと合わせれば、観衆6万人強の半分以上が熱狂的な人たちだった。
それがいまや、左サイドのゴール裏席さえ、熱狂的サポーターで埋まらない状態だ。1万人がせいぜいだろう。8割方のファンはサッカーをしっかり観戦している。それなりに厳しい目を向けている。スタンドはかなり静かになった。大人の世界になりつつある。こうしたサッカーの魅力に取り憑かれた人たちに、勝利しか届けられないのであれば、日本代表産業はさらに衰退する。
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