なでしこジャパン・中嶋淑乃の突破に注目「極度の人見知り」のサイドアタッカーの目標は (3ページ目)
【止まらなければ取られないと思う(笑)】
中嶋を変えたというアジア大会の結果は、今、パリ五輪アジア最終予選に臨むなでしこジャパンにとって重要なカギとなっている。このアジア大会決勝で相まみえたのが最終予選の相手である北朝鮮なのだ。
中嶋の先制ゴールを皮切りに4ゴールを奪取し、日本はタイトルを獲得している。北朝鮮が最終予選の相手になることなど、この時はまだ知る由もなかった。ただ印象に残っているのは、この試合で中嶋が北朝鮮選手たちに対して見せていた余裕のあるマッチアップの数々だ。
――アジア大会決勝は、北朝鮮に対して、かなり余裕を持ってプレーしていましたよね?
中嶋 選択肢を減らされる感覚というのはなかったですね。あの時は今回の最終予選で一緒に選ばれている(上野)真実、(千葉)玲海菜、(古賀)塔子、(谷川)萌々子がいたんです。あのアジア大会が相手のベストメンバーかどうかはわかりませんが、みんな苦手意識はないと思います。
中盤は対人が強くてフィジカル勝負にくるイメージ。攻撃的で上がってくるんですけど、割と守備陣との間が間延びしてる時もあるし、DFラインが高めだったので裏のスペースは狙っていけると思うんですよね。
――相手は中嶋選手にしてやられてますから、かなりケアしてくるでしょうね。
中嶋 その辺りは今シーズン、WEリーグで経験済です(苦笑)。当然3年目にもなれば、(突破の先に相手が)蓋をしにくることは想定内で、いろいろ模索してみたんです。結局......封じられてもスピードを落とさずに、自分で強気にいくのが大事なんじゃないかと行きつきました。
たぶん止まらなければ取られないと思う(笑)。もちろん、相手との距離感を見ながらですけど、絶対勝てると信じてスピードを落とさずにいきたい!
――その吹っきれた考えがあったんですね。ケアされ始めた当初、相手を食いつかせようとしたりしてませんでした?
中嶋 見られてたか(笑)。そうなんです、そこで考えすぎて止まっちゃう。今は、ガツガツいったほうが自分のよさは出るのかなって思っています。
――そうなってくると必要になってくるのが、スタミナ。そこは"任せろ!"って感じですか?
中嶋 任せろ!ってタイプではないんですよね......申し訳ない(苦笑)。ないわけじゃないですよ。でもめっちゃあるかと聞かれるとそうでもない(笑)。
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