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なでしこジャパン・中嶋淑乃の突破に注目「極度の人見知り」のサイドアタッカーの目標は (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko

【得意なものがサッカーしかなかった】

――なでしこジャパンという場所は、入れたらいいなというところから、現実的な目標になってきましたか?

中嶋淑乃(以下、中嶋) 前よりは近くなった気がします。代表という括りのなかで、自分のターニングポイントになったのはアジア大会の中国戦(準決勝)のゴールでした。

 それまでの連戦が全然ダメだったんです。でも、あの時は自分の感覚で動き出せて、それがゴールにつながった。あの得点が決まったことで自分のなかの何かが変わりました。その後、ブラジル遠征に招集されたことで、それが「自信」と言える感覚になりました。

――--代表では最初、新戦力として試されていましたが、ここまで活躍が重なるとスタメンも視野に?

中嶋 え! いやいや、それはまだまだないですよ!

――今、ご自身で成長を感じ始めているところだと思いますが、代表での課題は?

中嶋 もっと周りとコミュニケーションを取ること! 本当に極度の人見知りで......がんばろうとは思うんですけど、なかなか自分から話しかけることができない。でも、やっていかないとダメですよね。

 プレーでは守備面。自チームとは違うサッカーだし、何試合も出場しているわけではないので、守備面で連係がまだまだ取れていません。ひとりで何人もの相手を見ないといけないので、常に中間ポジションをしっかりとること、それが難しいです。

――でも、奪った形次第で、サイドはチャンスを作れる場所でもありますよね。

中嶋 そうなんです。すっごいボールが出てくるんですよ! だから楽しいです。しかもボールが出たら、「仕掛けていいよ!」ってみんなが声をかけてくれるので、やりやすいし、実はその声でがんばれたりします。

――中嶋選手と言えばやっぱりドリブルに目がいきます。サッカーを始めた頃から得意でした?

中嶋 始めた小学校の頃はめちゃくちゃヘタクソでした(笑)。でも、男子と一緒にプレーしていた部活とクラブチームの掛け持ちでやっていたんですが、体格差もないから結構勝てていましたね。

 その頃、ひたすら練習していたのが足元のメニューでした。ふたつのマーカーの間を、左右の足ではもちろん、いろんなステップや切り返しを交えながら行ったり来たり――これを延々と繰り返すんですけど、これでボールタッチの感覚が養われたと思っています。

 あとこの時期の練習の賜物としてもうひとつ、リフティングがあります。これはエンドレスでいけます!

――特にサッカーで挫折を経験することなく、今に至ってるんですか?

中嶋 挫折はないです。というより、そもそも「サッカーだけに賭けてる!」ってタイプではないから、折れることがなかったのかも。勉強もできなかったし、得意なものがサッカーしかなかったから続けていたら......気がついたら今(笑)。うまくいかなくても考え込まないんです。楽しくやらないと!って思うからイヤにならない。

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