なでしこジャパンのライジングスター 藤野あおばが駆け上がる「エース」への階段 (4ページ目)
「海外の選手と戦う時、ドリブルやボールを持つところは、自分のよさとして出せる自信はある。それを考えると、スペースがあって、運ぶ時間があるからこそ、選択肢がたくさん出てくる。
パスを出すにしても、サイドの(清水)梨紗さん、中にいる唯さん、奥の(宮澤)ひなたさん、前の(植木)理子さん、たなっさん(田中美南)......。考える時間があると、より慎重にどこがいいのか。ここに出すとこうなるっていう考えとプレー速度が追いついてないところが出てくるんです。でもこれは(周りが)見えてきたからこそ、出てきたものなんですよね」
成長を重ねる藤野の、その純度はさらに増している。その分、悩みは尽きないようだが、彼女は実に楽しそうだ。
「楽しいですよ!」
そのクシャっとした笑顔に迷いは感じられない。
パリ五輪最終予選の第1戦は2月24日に行なわれ、出場が決まる第2戦(2月28日)の舞台となるのは、国立競技場だ。
初めて北朝鮮を破ってアテネ五輪出場を決めた場所で、再び歓喜の瞬間は訪れるはずである。そこには、観客を沸かせる藤野の姿があるに違いない。その時、彼女はどんな表情を見せてくれるのだろうか。
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藤野あおば(ふじの・あおば)
2004年1月27日生まれ。東京都出身。日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属のFW。2022年U-20女子W杯で日本の準優勝に貢献。その直後になでしこジャパンに招集され、2023年女子W杯に出場。グループステージのコスタリカ戦では、男女を通じて最年少記録(19歳180日)となるW杯ゴールを決めた。
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