サッカー日本代表の危なげなく見えたバーレーン戦に問題点 イラン戦に向けて課題は? (2ページ目)
【ドリブルで剥がせる選手がいない前半に攻撃が停滞】
一方、前半を通して危なげない守備を見せていた日本だったが、攻撃は機能していたとは言い難いものがあった。これだけボールを保持していながら、シュート数は7本で、そのうち枠内シュートは2本のみ(10分のコーナーキックで上田がヘッドで狙ったシュートと堂安のゴール)。相手守備網を破ったと言えるような決定機は一度もなかった。
ボールを保持しながら日本がバーレーンの守備を崩せなかった理由は、相手の守備方法と無関係ではなかった。
日本の陣形は4-2-3-1だったが、相手が4-1-4-1の陣形であることを確認すると、ボランチの一角を務めた旗手怜央が前に上がって4-1-4-1(4-3-3)にシフトチェンジ。相手のワンボランチだった6番(モハメド・アル・ハルダン)の両脇のスペースに久保と旗手が立つことで、ボールの受け手となった。
多くのチームは、相手にライン間でボールを受けさせまいと立ち位置を変えながら守るケースが多いが、バーレーンは違った。基本のゾーンディフェンスで自分たちの陣形を保ちながら、ボールがライン間に入ったところで受け手に網をかけた。
たとえるなら、アコーディオンを広げた状態にして、相手のパスが懐に入ったタイミングでアコーディオンを収縮してボールを奪う、といったイメージだ。
しかも網の中央にいる6番のポジショニングは抜群で、ボール回収能力も高かった。全体もコンパクトさが保たれていたため、日本はアタッキングサードでボールを受けた後の展開に苦しんだ。ラウンド16は一発勝負ということもあり、日本がカウンターを警戒して慎重になった部分もあるだろう。
パスだけでは崩せない状況となった場合、ミドルシュートやドリブルが相手を動かす最大の武器となる。しかし、この試合ではパスを受けた後にドリブルではがせる戦力の三笘薫と伊東純也がベンチスタートだったことも、攻撃の停滞に拍車をかけた。
その意味でも、6番の数少ないポジショニングのミスがあったとはいえ、先制点につながった毎熊のミドルシュートは値千金だった。
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