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サッカー日本代表の危なげなく見えたバーレーン戦に問題点 イラン戦に向けて課題は? (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【交代策で失点前に悪い流れを断ちきれなかったか】

 日本にとって追い風となったのは、後半開始直後の49分に久保が追加点を決めたことだ。これにより、2点のビハインドを背負ったバーレーンはあとがなくなり、前に出ざるを得なくなった。カウンターを得意とする日本にとっては、最高のシナリオだ。

 ところが、日本はカウンターで追加点を狙うという意識より、2点リードしたことで相手の前に出る勢いに押されてしまい、受けに回る展開となってしまった。これは、この試合における大きな反省点だろう。

 実際、63分にはその流れのなかでバーレーンに1点を献上。森保一監督はその4分後に三笘と南野拓実を投入したが、できれば2点目を決めた後に流れが悪くなったタイミングで、少なくとも三笘はピッチに送り込みたかったところだ。その後、再三にわたって三笘の突破力が多くの決定機を演出したことを考えると、なおさらだ。

 結果的に、雲行きが怪しくなったところで上田が加点して大ごとにはならなかったが、実力差が拮抗する相手と戦う準々決勝以降の試合では、こういった采配が後手に回る原因となる可能性はある。

 そして、再び2点差となったところでバーレーンは長身の14番(アブドゥラ・アル・ハサッシュ)を起用。身長194cmの9番と191cmの14番による大型2トップを前線に配置する4-4-2の布陣にシフトチェンジすると、日本ベンチはその3分後に、堂安と上田に代わって町田浩樹と浅野拓磨を投入して、町田、冨安、板倉滉の3枚のCBを配置する3-4-2-1(5-4-1)に陣形を切り替えた。

 これは、長身2トップに対してひとりを余らせるという守備的な戦術変更だ。それが奏功し、その後も相手にほとんどチャンスを与えず、逆にカウンターから決定機を作り出すことに成功した。

 そのなかで追加点を決められなかったのは問題だが、アディショナルタイムのパス回しを含めて、勝っているチームが試合を終わらせる戦い方ができたことは、この試合で得られた収穫のひとつと言える。

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