サッカー日本代表・細谷真大より上田綺世のほうがパスを多く受けられたのはなぜか ベトナム戦で強者のゲーム運びに立ち位置変更の工夫 (4ページ目)
【強者のゲーム運びで試合を終わらせた】
もっとも、日本が立ち位置を変えたからと言って、後半に日本の猛攻が繰り広げられたわけではなかった。シュート数も3本で、前半に逆転されるまでの時間帯と同数だった(日本は前半33分以降にシュート9本を記録)。
これは、日本が1点リードをしていたこともあり、リスクをかけて攻めるより、しっかりとボールを保持しながら安全運転モードに入っていたからと見ていいだろう。その結果、ピンチもほとんどなく、最終的に相手を疲れさせてからとどめを刺すことに成功した。
ある意味、このベトナム戦の日本は強者のゲーム運びで試合を終わらせることができた。それも含めて、日本は十分に余力を残したまま白星スタートを切ったと言える。
注目は、次のイラク戦だ。この試合にしっかり勝利できれば、続くインドネシア戦は大幅なスタメンの入れ替えも可能になる。そのためにも、日本対策を講じてくるはずの相手に対して、試合のなかでいかに修正しながら効率よく勝てるかどうか。
今回のベトナム戦のように、ピッチ上の選手たちの工夫に注目したい。
著者プロフィール
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
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