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谷口彰悟32歳、代表チーム最年長でもチャレンジャー「ガムシャラに、年齢にあらがっていきたい」 (4ページ目)

  • text by Harada Daisuke

 日本代表としても、引いた相手をどう崩すのかは、課題のひとつだっただけに、複数得点を奪ったうえで、失点ゼロで終えられたことは、未来へつながる結果だったと思っている。

 メンバー交代が5人になったことによる変化について触れたが、交代枠の変化により戦術も変化し、アクシデントも含めてDFも途中出場する可能性は、以前よりも増しているだろう。

 それだけに、先発だろうが、ベンチスタートだろうが常に準備はしておかなければいけないと、9月、10月の活動を終えて、改めて実感している。

 日本代表での自分の立場は、絶対的ではないことは、誰よりも自分がわかっている。トミやコウ(板倉滉)、そしてマチといった自分よりも年齢の若い選手と、争っていかなければならないし、勝負していかなければならない。

 ただ、そうした競争に、今の自分が身を置けていることに感謝しているし、そこに生き甲斐や、やり甲斐を感じている。

 彼らと切磋琢磨する日々は、まだまだ自分自身が成長したいと思わせてくれる。乗り越えなければならない高い壁に、清々しさを感じるだけでなく、そこには悔しさも同居している。

 30歳を過ぎると、どうしてもベテラン選手としての扱いに変わってくるが、今の自分は彼らに挑むチャレンジャーの立場。そういう状況にやり甲斐と成長を感じる。だからこそ、地道にコツコツと、それでいてガムシャラに、年齢と状況にあらがっていきたい。

 彼らと競争し、立ち向かっていくことが自分の原動力であり、現状に満足できない起源になっている。そういう意味でも、日本代表に、いい競争と、いい変化をもたらすことができたらと思っている。

◆第10回につづく>>


【profile】
谷口彰悟(たにぐち・しょうご)
1991年7月15日生まれ、熊本県熊本市出身。大津高→筑波大を経て2014年に川崎フロンターレに正式入団。高い守備能力でスタメンを奪取し、4度のリーグ優勝に貢献する。Jリーグベストイレブンにも4度選出。2015年6月のイラク戦で日本代表デビュー。カタールW杯スペイン戦では日本代表選手・最年長31歳139日でW杯初出場を果たす。2022年末、カタールのアル・ラーヤンに完全移籍。ポジション=DF。身長183cm、体重75kg。

著者プロフィール

  • 原田大輔

    原田大輔 (はらだ・だいすけ)

    スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。

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