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U-17日本代表「アジア絶対王者」の底力!「スター軍団」が難敵を撃破 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 しかしながら、「グループステージは3試合あるので、最低限引き分け(でもいい)というラインがあった。だから、そこは焦らず、押し込まれる時間も全員で耐えれば、こっちの時間がくると信じながらやっていた」と小杉。

「相手の選手はいいシュートを持っているが、自分たちがボールに寄せて、体のどこかに(シュートを)ぶつければ、(ポーランドが)ゴールを割るのは難しい。そこは自信を持ってできたかなと思う」と言い、劣勢のなかでも勝機を見出そうとしていたことを明かす。

 すると、ハーフタイムを挟み、日本は本来の姿勢を取り戻す。

「このサッカーをしていて面白いか?」

 そんな厳しい言葉もかけたという、森山監督が語る。

「勇気を持って、ボールを持って攻めようよ、ということで、ちょっと距離感とかを修正した。MF山本(丈偉)が(後半から交代で)入り、(2ボランチの)MF中島(洋太朗)と山本でボールを持った時に、MF名和田(我空)とか、MF徳田(誉)が絡むシーンが増え、そうすると相手の足が止まってきた」

 後半に入り、日本が徐々に攻勢を強めるなか、後半55分あたりから降り出したスコールが後半60分を過ぎると激しさを増し、ついに試合は一時中断に。「自分たちがかなりボールを持てて、相手がバテてきたなかでブレイクになった」(小杉)ことは、いい流れに文字どおり水を差されたかにも思われた。

 しかし、「自分たちのほうが選手層は絶対に厚いと思っていたし、チームワークのよさも含めて、それで自分たちのほうに流れがきた」(小杉)。

 試合を決めたのは、後半70分の試合再開と同時に投入されたFW高岡伶颯である。後半77分、ゴール正面でボールを受けた高岡は、左足を豪快にひと振り。強烈なミドルシュートをゴール左に突き刺した。

「初戦なので、得点はもちろんほしかったが、それよりもチーム一丸となって本当に勝ちたい気持ちが強かった。その気持ちが僕の得点につながったのかなと思う」

 笑顔でそう語る高岡だったが、視界がかすむほどの激しい雨のなか、短い時間で確実にチャンスを仕留めることは、決して容易い仕事ではなかったはずだ。

 ところが、身長165cmの小柄なヒーローは、「ホテルにいる時から、雨がすごいというのは(予報で)わかっていたので、『こんな感じかぁ』というくらい(笑)。僕は泥臭いプレーが多く、雨が得意なので、(降っても降らなくて)どっちでもいいように準備していた」と言いのける。

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