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バイエルン福井太智がU-22日本代表で示した存在感 チームメイトはどう評価したのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by picture alliance/AFLO

 そして、この試合で初めて起用された新戦力について、「新しい選手たちが(今後チームに)アジャストしていくスタートとしては、すごくポジティブに見えたし、(次の親善試合である)アメリカ戦に向けても少し視界が広がったところはあったと思う」と指揮官。

 複数の新戦力テストが行なわれたメキシコ戦にあって、唯一先発起用されたのが、福井だった。

「一番意識したのは、やっぱり守備の強度。自分が中心に声を出してコミュニケーションをとって、チームを動かす部分は意識して試合に入った」

 チームのへそとも言うべきアンカーでの出場とあって、そんな言葉でデビュー戦に向かう心境を語った福井だったが、試合序盤は細かなパスミスも目についた。

 それでも、「(ミスは)多少あったと思うが、自分ではあまりマイナスには思っていなかった」と言い、「時間が進むにつれて修正することはできたのでよかった」と、落ちついた口調で振り返る。

 福井の自己評価を裏づけるように年下のチームメイトを称えるのは、この試合でキャプテンを務めたMF山本理仁だ。

 MF松木玖生に加え、福井という新たな"U-20ワールドカップ組"とともに中盤のトライアングルを形成したキャプテンは、「間違いなく(高い)クオリティを持っている選手だと思うし、練習からファイトするところもある選手だなというのは感じていた」と言い、こう続ける。

「ある程度波長も合う選手だと思うので、不安なく試合に入れた。実際にゲームをやってみて、僕と太智と玖生と、(3人それぞれが)違うタイプながらもしっかりと自分たちのよさを出しながら、うまくバランスを保てた」

 もちろん、初招集の福井がすぐチームにフィットできたのは、U-22代表がこれまでに積み上げてきた戦い方のベースがあればこそだろう。実際、山本は「もちろん、長く呼ばれている選手は監督が求めていることやチームがやりたいことをわかっていて、そのベースがあるから新しい選手もやりやすいとは思う」と語っている。

 だがその一方で、いきなりの実戦でも新戦力がそつのないプレーができるのは、それだけが理由ではないと、山本は言う。

「(いかにチームのベースがあっても)やっぱり能力のない選手だったら求められていることができないと思う。ある程度の(チームの)ベースがあって、そのなかに能力の高い選手たちが入ってきてくれる。その両方があったから、新しい選手が入ったなかでもしっかり4点取って勝ちきれたのかなと思っている」

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