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あわや大事件...U-22日本代表が薄氷を踏む思いでつかんだ最終予選(U-23アジアカップ)への切符 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo/Getty Image

 U-22代表は、これでパリ五輪への第一関門を突破。10月には海外遠征、11月には国内でアルゼンチンとの親善試合が予定されており、来年4月にカタールで開催予定のU-23アジアカップへ向けて、今後もチームとしての強化が進められる。

「最終予選でも、(日本を)リスペクトをして(守備的な戦い方を)やってくるチームが必ずあると思うので、こういったゲームをしっかりここで経験できたことはプラスの材料かなと思う」(MF松木玖生/FC東京)

 その一方で、パリ五輪でのメダル獲得を目指すなら、選手個々のレベルアップがこれまで以上に求められることは言うまでもない。所属クラブでの活躍はもちろんのこと、ドイツ、トルコを連破したことで俄然注目度が高まるA代表にも、割って入っていくことが期待される。

 大岩監督も「我々はA代表がスタンダードだとずっと言っている。向こう(のレベル)がどんどん上がっていくが、それが目指すべき指標になっている」と、その難しさを指摘しながらも、「A代表のあのパフォーマンスを見て、選手は相当刺激を受けている」と目を細める。

 6月シリーズでA代表に初招集されたMF川﨑颯太(京都)は、「(一度)A代表に選んでもらったのだから、ここに来た時は自分がただU-22の一員というだけでは物足りないと思っている」と自覚の言葉を口にし、こう続ける。

「この(バーレーンでの)試合(の出来次第)で、A代表に選ばれることも絶対あると思う。目の前の相手に勝つことともに、例えばドイツ代表だったりとかとやってもできるんだぞっていう気持ちは、やっぱり全員が持たなきゃいけないと思うし、自分としても持っていきたい」

 まばゆいスポットライトを浴びるA代表の陰で、あまりに地味で過酷な戦いを強いられていたU-22代表。だが、吹き出す汗をしたたらせながら薄氷を踏んだ経験は、必ず次につながるはずである。

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