サッカー日本代表 トルコ戦でハッキリした選手のアドリブ任せ攻撃 プレー原則はなくて大丈夫?

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

ドイツ戦に続き、トルコ戦も大量得点で勝利したサッカー日本代表。しかし、選手が代わった前半と後半で、攻撃の形に大きな変化が見られた試合でもあった。久保建英&堂安律コンビが期待された前半、伊東純也が加入した後半。どのような現象が出てきたのか数字と共に詳細に分析する。

サッカー日本代表のトルコ戦は、伊東純也の爆走カウンターからのPKゲットで試合を決めたサッカー日本代表のトルコ戦は、伊東純也の爆走カウンターからのPKゲットで試合を決めたこの記事に関連する写真を見る

【久保建英&堂安律コンビが注目された】

 ドイツ戦から中2日。場所をベルギーのゲンクに移して行なわれたトルコとの一戦は、4-2で日本が勝利を収めた。

 森保一監督は、ドイツ戦から左サイドバック(SB)伊藤洋輝以外の10人を入れ替えたフレッシュなスタメンを編成。4-2-3-1の1トップに古橋亨梧を、2列目には右から堂安律、久保建英、中村敬斗を配置した。

 3月28日のコロンビア戦でも、久保をトップ下にして堂安を右ウイングで起用したことがあったが、その時は後半に入った59分からと短時間だった。2人は現在ポジション争いをする関係にあるが、東京五輪のように、中央と右で良い関係性を証明したセットでもある。

 それだけに、試合開始から十分な時間があるなかで、2人がどのようなコンビネーションを見せ、どのようなかたちでチーム全体の攻撃バリエーションを増やしてくれるかは、この試合の注目ポイントのひとつとなった。

 対するトルコも、ユーロ予選のアルメニア戦から中3日とあって、シュテファン・クンツ監督がターンオーバーを採用。センターバックのチャーラル・ソユンジュ、左インサイドハーフのオルクン・コクチュの2人を除いたスタメン9人を入れ替え、4-3-3で試合に臨んだ。

 その影響もあってか、フレッシュなメンバー同士の対戦は強度が上がらず、ミスの目立つ雑な試合となったことは否めない。

 ただ、そんななかで違いを作ったのは、チーム内競争が激しい日本のほうだった。ドイツ戦を目の前で見ていた選手たちが高いモチベーションでこの試合に臨むことができていて、それが前半のスコアにも表れた。

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著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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