サッカー日本代表 トルコ戦でハッキリした選手のアドリブ任せ攻撃 プレー原則はなくて大丈夫? (4ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

【攻撃は選手個人のアドリブ任せの状態】

 ただし、後半に見せた日本の変化も、伊東という選手のキャラクターによる自然発生的な変化に見える。これは左ウイングに三笘薫が入った時にも言えるが、すべての攻撃が選手個人のアドリブ任せになってしまうと、W杯ベスト8以上に食い込むような相手と対戦した時に、強固な守備を突き破ることは困難になる。

 第1次森保ジャパンのスタート当初は、どうやってゴールを目指すかという攻撃面のプレー原則のようなものがうかがえた。縦パスを入れてから連動し、素早く中央をこじ開けられない場合は、ボールを動かしながらサイドに起点を作って攻める。その精度は別として、森保監督が口にしていた攻撃のイメージが、ピッチ上からも見て取れた。

 これも、カタールW杯で舵を切ったカウンターサッカーの影響なのかはわからないが、10月の国内親善試合では、改めて日本の攻撃に注目してみたい。

プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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