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あわや大事件...U-22日本代表が薄氷を踏む思いでつかんだ最終予選(U-23アジアカップ)への切符 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo/Getty Image

 そして、日本はまんまと敵の術中にハマったと言っていい。

「なかなか(相手守備を)崩せへんなか、前半はちょっと停滞する時間が多かった。後半の最初に立ち位置とかいろいろ変えて、シュートに持っていける回数は増えたかなと思うけど......。そこを決めきらないと、こうやってズルズルと0-0のまま苦しい試合になってしまう」(MF山田楓喜/京都サンガ)

「(ゴール前に)相手の人数が多くて、(サイドからドリブルできれ込んでも)本当に相手しか見えなかった。どこに(クロスを)出したらいいんだろうって、ちょっと投げやりになってしまった部分もある」(MF三戸舜介/アルビレックス新潟)

 それでも、日本は得点こそ奪えなかったものの、最後まで失点せずにスコアレスドロー。引き分けでも自力突破が決められる状況だっただけに、最低限必要な結果を死守することに成功した。

「結果はどうあれ、僕たちが目指しているパリに向けて、最初のところを突破できたっていうのは非常に大きな部分。次の最終予選(U-23アジアカップ)につながってくると思う」(GK鈴木彩艶/シント・トロイデン)

 試合内容や試合運びに目を向ければ、正直、物足りなさがなかったわけではない。引き分けでもよしの立場にありながら、軽率なミスや1対1の局面での緩い対応でボールを失い、危ういカウンターを受けるシーンは何度か見られた。

 特にバーレーンが勝負に出た試合終盤は、焦りからか不用意なファールが目立ち、さらに相手を勢いづけてしまった感は否めない。

 しかしながら、ほとんど事前の準備期間がないまま臨んだ7日間での3試合。座っているだけでも体中から汗が吹き出す酷暑に加え、とても良好とは言い難いピッチ状態。それらの条件を考えれば、及第点を与えていい結果だろう。日本が攻める時間が長かったのは確かだが、それをもって決定力不足と断じるのはあまりに酷というものだ。

 U-22代表を率いる大岩剛監督も「エクスキューズではないが」と前置きしたうえで、「選手の疲弊は想定を少し超えていた」と言い、「思いどおりにならなかったが、最低限のタスクを果たすことができてよかった。選手は非常によくやってくれた」とチームをたたえた。

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