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バイエルン福井太智、U-20W杯で先発を外された悔しさを糧に「メンタルの弱さ、不甲斐なさが出た。すべてが足らなかった」 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文・撮影 text & photo by Ryokai Yoshiko

【バイエルンの練習にも参加】

 U-20ワールドカップは、福井にとって憧れの舞台だった。

 2021年11月から代表メンバーに招集されはじめた当初、福井はサガン鳥栖でプレーしていた。しかし今年1月から、ドイツの盟主バイエルンの育成組織でプレーする挑戦を選択。ツヴァイテ(2軍)の選手としてドイツ4部リーグで経験を積んだ。チームメイトは皆、トップチームへの昇格や他クラブへの移籍など、プロの舞台を目指している。

「ツヴァイテはチームがリーグで勝てていることもあって、とても練習の強度が高く、雰囲気がいいです。ポジション争いもあるし、絶対に成長してやるという強い気持ちを一人ひとりが持っています」

 その言葉からは、日々の充実ぶりが伝わる。だが、ドイツから日本やアジアとの行き来は当然、簡単なことではない。3月のアジア予選はクラブと代表の話し合いの末、断念せざるを得なかった。

「もちろん行きたかった気持ちはありましたし、日本のために戦いたかったです。けれど、選ばれなかった以上はクラブに集中するしかなかった。U-20ワールドカップに出場してくれるって信じて応援していました。自分が出ていたら......と想像したりもしましたけど、出場権を掴んでくれたことに感謝でした」

 複雑ではあるが割りきるしかなかったと、当時の心境を振り返る。

 バイエルンでは3月末、ユリアン・ナーゲルスマンからトーマス・トゥヘルに監督交代が行なわれた際、福井もトップチームの練習に呼ばれたという。トップチームでは「すべてに圧倒された」と言い、あらためて目標地点が明確になった。

 バイエルンに加入してから、まだ半年足らず。初めての海外生活に「苦労は毎日しています」とふと漏らすあたり、日々の奮闘ぶりをうかがわせる。

 その目標とした舞台でもあり、ドイツで戦う日々の成長ぶりを確認するひとつの物差しとも考えていたのが、今回のU-20ワールドカップだった。

「ボランチもひとつ前もできるから、得点に関わることにこだわりたいし、アシストをしてチームを勝たせられたら。彼が来てよかったと思わせられたら......」

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