バイエルン福井太智、U-20W杯で先発を外された悔しさを糧に「メンタルの弱さ、不甲斐なさが出た。すべてが足らなかった」
コロナ禍を挟んで4年ぶりに開催されたU-20ワールドカップ。日本は1勝2敗、1次リーグだけで大会を去ることになった。日本が同大会を1次リーグで敗退するのは、2001年大会以来22年ぶりのこと(2021年大会がコロナで中止になった以外、大会は2年おきに開催され、2009年、2011年、2013年、2015年大会はアジア予選で敗退して出場していない)
憧れだったU-20W杯について語る福井太智この記事に関連する写真を見る U-18時代から招集されてきた主力のひとり──福田太智(バイエルン・ミュンヘンⅡ)は1次リーグ最終戦のイスラエル戦で先発に選ばれなかった。セネガル戦は90分、コロンビア戦は75分プレーしていたにもかかわらず、"外された"格好だ。
本人は、その要因を小さなことだとは捉えていない。
「自分の1戦目、2戦目の評価が(ベンチスタートに)つながったのかなと思います。もうちょっと......そうですね、やっぱり何かというより、すべてが足りなかったのかなと思うんです」
イスラエル戦は、前半ロスタイムに日本が先制。その後76分に追いつかれ、福井が投入されたのは81分だった。中盤でプレーする福井には、攻撃に転じるためにマイボールの時間を増やす指示が与えられた。
「簡単に失うシーンが多かったので、ボールを落ち着かせてほしいと言われて入りました」
だが、すでに退場者を出していたイスラエルのカウンターに耐えきれず、アディショナルタイムの90+2分に失点。日本の敗退が決まった。
それまでの2試合は攻撃時やセットプレーで存在感を発揮していた福井も、この試合ではそれまでのようにはいかなかった。試合終盤に入り、アタッカーのような明確なタスクを与えられたわけではないために表現方法は難しいが、仕事をする前に試合は終わった印象だ。
「絶対に勝てた試合だったと思います。すごく悔しいし、メンタルの弱さ、不甲斐なさが出た試合でした」
1 / 3
著者プロフィール
了戒美子 (りょうかい・よしこ)
1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。