長谷部誠と川島永嗣がU-22日本代表に会った理由 大岩監督は選手の課題に「彼らも苦しんでいる」 (2ページ目)
【大岩監督も頭を悩ます問題】
「クロスボールに対して自分はパワーがあって自信のある部分なので、積極的に飛び出すということは意識していました。ただ、前半のコーナーキックで相手に押されて倒れてしまったシーンは、やっぱりあれが世界だなと感じました。
ああいうところで倒れていたら戦っていけないと思います。自分自身の特徴でもあるパワーをもっとつけていかなければ、世界では戦えないのかなって感じました」
ふだんできない経験を得られるのが、海外遠征の醍醐味でもある。
ただそもそも、今回のメンバーの選手たちは鈴木をはじめ、Jリーグであれ海外クラブであれ、所属クラブでのポジション獲得に苦戦している。そんな彼らにとって、試合に出られる点においてU-22の活動は重要なチャンスだ。ここでの活動で得た課題を日々の試合ではなく、練習に落とし込むしかないという苦しさもある。大岩剛監督は言う。
「率直に言って、彼らも苦しんでいると思います。別にひいき目で見るわけじゃなくて、彼らが(所属クラブで)試合に出られてないのは本意ではない。コンディションも悪い。でも、それは致し方がないことで、もどかしさもあります」
だからこそ、出場機会のある選手とのコントラストはついてしまう。
「試合に出場している選手は、すごく(コンディションが)いいですよね。そういうところはたぶん(選手たちは)痛感している」
五輪予選という舞台は用意されているものの、まだまだその前でもがいている難しい世代でもある。試合後には長谷部誠と川島永嗣がロッカールームを訪れて、彼らを激励したそうだ。
「若いうちにしっかりもがきながら、一日一日を大事にすべきという話をしてくれた。(選手の心に)響いたんじゃないですか」と大岩監督。
試合経験の不足は、今のところは練習で補うしかない。
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