長谷部誠と川島永嗣がU-22日本代表に会った理由 大岩監督は選手の課題に「彼らも苦しんでいる」
現地3月23日にドイツ・フランクフルトで行なわれたU-22ドイツ対U-22日本の親善試合は、2-2のドローで決着した。
1点を先制されたのちに逆転した時間帯もあり、カタールW杯ドイツ戦の再現かとも思われたが、現実は厳しく勝ちきることはできなかった。それでもドイツという強豪国相手にアウェーで勝利を当然のようにイメージすることができたのは、ワールドカップでの日本代表の大きな功績のひとつだろう。
U-22ドイツ相手にスーパーセーブを見せた鈴木彩艶この記事に関連する写真を見る 試合は思いのほか、華やかな雰囲気で行なわれた。試合会場は4部FSVフランクフルトのホームスタジアムで、収容人数12543人のところ6161人の観客が試合を見守り、地元アイントラハト・フランクフルトのFWアンスガー・クナウフとFWファリデ・アリドゥには特別大きな声援が送られた。
つまり、日本代表はアウェーの空気感で戦うことができた。
試合はドイツの猛攻から始まった。前半9分、GK鈴木彩艶(浦和レッズ)が立て続けにシュートを2本止めるビッグセーブを見せる。FWジェシク・ンガンカムがペナルティアークでマークをかわして強烈な左足のシュート。これを鈴木が弾き、こぼれ球を右サイドのアリドゥに流し込まれようとなるが、素早く反応してスーパーセーブ。最初のピンチを防いだ。鈴木は言う。
「冷静にプレーできたかなと思います。2本連続で止めたシーンも、1本目でもっと弾ききるところは課題かと思いますが、非常にポジティブなゲームだったと思います。(素早く反応したシーンについて)浦和でも練習でああいうトレーニングはしているので、そういったところの成果が出たと思います」
一方で課題に感じた点は、鈴木のストロングポイントのひとつである「クロスへの対応」だ。ほとんどのクロスに対して危なげない対応を見せていたが、前半30分過ぎ、相手の左CKについて振り返る。
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プロフィール
了戒美子 (りょうかい・よしこ)
1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。