日本代表に旗手怜央と古橋亨梧が選ばれない理由 畑を耕す時期にも森保一監督は優先順位を変えなかった (3ページ目)
【フェアな目をアピールすべきだった】
旗手怜央と古橋亨梧をカタールW杯に引き続き、今回も選ばなかった理由について「総合的に見て......」「リーグのレベルが......」「セルティックの試合は毎試合見ていますが......」等、例によってハッキリしない口調で断片的に言葉を並べた。だが、前回、もし彼らが次点で落選したとすれば、今回は選ぶべきだったと筆者は考える。セルティックで中心選手として活躍しているチャンピオンズリーガーをW杯本大会のみならず、その後も選ばないとなると、明らかに好き嫌いのレベルに入る。
古橋のライバルは浅野、上田、町野の3人。リーグのレベルでは、浅野(ドイツ)>上田(ベルギー)>古橋(スコットランド)>町野(湘南・Jリーグ)の順になる。UEFAランクではドイツ3位、ベルギー8位、スコットランド9位の順に並ぶ。ボーフム(浅野所属)はドイツで現在14位。セルクル・ブルージュ(上田所属)はベルギーリーグで8位につける。一方、セルティック(古橋所属)はすでに優勝を決めた。
今季挙げた得点は、浅野がわずか1点であるのに対し、上田は13点(リーグ4位)、古橋は20点でスコットランドのトップスコアラーだ。
また、浅野の出場時間は946分で、1701分の古橋の55%にしかすぎない。実績で上回るのは古橋と言わざるを得ない。繰り返せば、カタールW杯のメンバーに浅野、上田、町野は選ばれたが古橋は落選した。森保監督の古橋評が浅野、上田、町野より下だとしても、ここは畑を掘り起こす原理で、古橋が一番にくるべきである。
一方、旗手のライバルは守田、田中あたりになる。相変わらず森保監督の旗手評が3番手だとしても、古橋と同様の理屈から、ブンデスリーガ2部の現在5位につけるデュッセルドルフ所属の田中を外し、旗手を選ぶことがW杯明けの初戦では妥当な選択になる。
カタールW杯の最終メンバーから惜しくも落選した選手は、この際、全員選ぶぐらいの度量の広さを森保監督は示さなくてはならなかった。フェアな目の持ち主であることを、僅差で連なる多くの候補選手に向け、続投初戦を前にアピールする必要があった。
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