日本代表はクロアチアをどう攻略すべきか。ベルギー戦を参考にカギは両サイドの攻防にある (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 おそらくクロアチアに対しても、攻撃時には3バックが有効策となるはずだ。MF伊東純也やMF三笘薫が両サイドで高い位置をとって押し込み、中央2列目ではMF鎌田大地、MF堂安律、MF久保建英らが、相手の中盤を引きつける。

 そうした展開に持ち込めれば、得点の可能性が高まるばかりか、カウンターを受けるリスクを減らすこともできる。

 そのためには、左アウトサイドMFでの三笘の先発出場があってもいいし、ケガの状態次第ではあるが、右にはDF酒井宏樹を先発起用して守備時の4バックに対応し、勝負どころで伊東へスイッチ。そんな展開に持ち込むことができれば、勝負は面白くなるはずだ。

 ふたりのインサイドMF+アンカーで中盤を構成するクロアチアに対し、日本は2ボランチ+トップ下なのだから、守備時に左右アウトサイドMFがともに下がって、後ろが重くなりすぎないこと。そして攻撃時には、幅を使ってボールを動かし、右の伊東、左の三笘という切り札の能力を最大限生かすこと。それができれば、自ずと勝機は見えてくる。

 両サイドの攻防を制するか否か――。ベスト8進出のカギである。

【著者プロフィール】浅田真樹(あさだ・まさき)
フリーライター。1967生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。

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【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。

佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。

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