日本代表はクロアチアをどう攻略すべきか。ベルギー戦を参考にカギは両サイドの攻防にある (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 しかし、必死の猛攻を仕掛けるベルギーに対し、クロアチアは粘り強い守備で応戦。最後はベルギーのFWロメル・ルカクがことごとく決定機を逸するミスにも助けられ、スコアレスドローに持ち込んだ。

 相手をねじ伏せるような強さはないが、だからといって、取りこぼしもない。クロアチアらしい、グループリーグの締めくくりだったと言えるだろう。

 とはいえ、このベルギー戦には、クロアチア攻略のヒントも存分に詰まっていた。

 4-3-3のクロアチアに対し、本来3バックをベースとするベルギーは、守備時には4バックで対応(右アウトサイドMFのトーマス・ムニエが右サイドバックに下がる)。それでいて、攻撃時には右のムニエ、左のMFヤニック・カラスコを高い位置に押し出す3バックの形に戻し、サイドからの攻撃を有効活用した。

 クロアチアは、このサイド攻撃にサイドバックが対応しようと外に開けば、中央が空いて中盤が下がらざるをえず、かといって、中盤を前に出そうとサイドバックが絞れば、外が空いてウイングが下がらざるをえない。

 いずれにしても、ベルギーはふたつの顔を攻守で使い分けることによってサイドの攻防を制し、クロアチアを押し込むことに成功した。結局、引き分けに終わりはしたが、ベルギーが特に後半、多くの時間で主導権を握ることができた要因である。

クロアチア戦で勝利のカギを握る存在となる三笘薫クロアチア戦で勝利のカギを握る存在となる三笘薫この記事に関連する写真を見る 翻(ひるがえ)って、クロアチアに勝って目標のベスト8進出を狙う日本である。

 今大会の日本は4バックと3バック、ふたつのフォーメーションを使って、ここまで勝ち上がってきた。どちらかというと、従来は4バックが主戦システムだったが、今大会ではどちらかというと3バックが軸に変わりつつある。

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